今週のテーマは「世界の年末マネー事情」。
●アメリカ ニューヨークにて金融市場関連、不動産ファイナンスの仕事にたずさわれた経験をお持ちで、現在はエコノミストとして活動されている真崎修さん 東京在住。
アメリカは国内総生産のうち、アメリカ国内の民間消費が占める割合は7割という数字からも、アメリカ人が買い物好きかわかる。高収入層をのぞき、あくまで平均的なアメリカ人でいうと、貯えるという概念はあまりない。
●大和総研のロンドン駐在員の西岡花織さん
イギリスでは今、住宅市場が悪化したのと不況に対する不安が原因で財布のひもは硬くなっている。昨日ちょうど個人消費が発表されたところ。7-9月期で4-6月期と比べて0.2%下落しました。過去13年間で最大の下落幅だそうです。
実際、小売業界は相当厳しいらしく、売上が落ちた、倒産した、というニュースが頻繁にある。昨日はWoolworthsが破綻しました。クリスマスショッピングの時期なので小売店は客を呼び込もうと激しい割引合戦をしています。
デパート各社も期間限定25%OFF。それでも必要のないものは買わない、という人も多いよう。
政府は消費税を来週の月曜日から17.5%から15%に引き下げると発表しましたが、下げ幅が低く、お店のセールのほうがまだ消費の刺激になる、と批判の的です。
光熱費も上がっているうえ、住宅ローンの金利も下がらないので、この先どんどん厳しくなっていくのではないでしょうか。
ついで情報ですが、日本版ぴあのTime Outという雑誌はCredit Crunch Cultureと名づけて無料で楽しめるイベントを掲載しています。シティではCredit Crunch Lunchもあります!
貯蓄に関しては、イギリスには年間£3,000(およそ42万円)まで利息に税金がかからない預金の種類があります。貯金をする人はこれを利用することがほとんど。
貯めて株なり不動産なりに投資する場合が多いようです。家賃が高いので、住宅を買う人は多いです。自分で住むためとは別に投資用に買う人もいますし、テナントと同居する大家さんもいます。日本とは違って買った時より高く売ることができるため、大学を出たらフラットを買い、徐々に大きなものに買い換えていく、というのがパターン。ただ、今回の金融危機でイギリスの住宅価格も急落しました。
番外としては美術品やアンティークに投資する人もいるそうです。こちらでは特にアンティークはお店やマーケットが多く、コレクターだけでなく普通の人も購入するので市場が成り立っています。
●シンガポールと日本で資産運用会社RGアセットマネージメントを経営する永野竜樹さん。
両国を往復していますが、今朝は東京から。
今回の金融危機に関しては、いち早く政府が国内すべての銀行に対する保証を明言したことで、動揺はあまりないが、当然ファンドや株式等は世界中と同じように損失が出ている。普通預金の利率は低い。
シンガポールにはいわゆる、公定歩合のような政策金利が存在しない。外国為替相場を金融政策としているため、個人もまた外国通貨で決済などをする。シンガポールドル建ての預金を積み立てしたり預金代わりに国債を購入するというようなことはあまりない。決済を外国通貨ですることも一般的。
不動産投資に関しては10倍近く地価が高騰した地域もあり、すでにピークアウト。
不動産投資を新たに行なうという意欲は低いと思われる。