2008/12/5 「ぐるなび」の誕生秘話

今週は・・・これからの季節、利用される方も多いでしょう、、、「ぐるなび」の誕生秘話。

グルメ情報サイト「ぐるなび」。
その始まりは、90年代半ば。 インターネット創成期とも呼ばれる時代、、、ある広告代理店の中でひとつのアイディアが持ち上がりました。

「ぐるなび」取締役

もともとは広告代理店なんですが、違う事業体として結婚式場の紹介業をやっていたんです。で、結婚式場の紹介以外に、2次会のレストランを紹介するという業務をやっていまして、、、レストランとのおつきあいが500店舗くらいあって。で、産業革命以来のインターネットが日本にもやってくるぞ、という動きがあって。。。 おつきあいしていたレストランをインターネットにのせてみようよ、というところから始まりました。

現在、株式会社「ぐるなび」の取締役をつとめる吉田真由美さん。
彼女こそが ぐるなびの誕生に奔走した その人です。
レストランをインターネットで紹介する、という発想。
インターネットの夜明けの時代、、、、これが受け入れられるのかどうか、吉田さんはとにかく現場へ足を運ぶことにしたのです。

それこそ鮮明に覚えているのは、テープレコーダーを持って居酒屋さんに行って実地調査したんですよ。 「インターネットが日本に来るんだけど、その中でこういうサービスがあったら使いますか?」と。 それを100人くらいアンケートとって。夜の夜中に。それをまとめて、、、「みんな使うって言ってます」みたいな。

ユーザーとして想定するのは、飲食店に行くのが好きな人。
「ならば、そこへ行ってアイディアをぶつけてみよう」おおむね いい反応を得た吉田さん。。。いよいよ開設へ向け準備が始まります。当時すでに交流のあったレストラン500店舗。
その情報集めがスタートしたのです。

レストランの500店舗のデータを集めているところは、普段2次会場を紹介する方たちがいましたので、その方たちにお願いして、写真とってPR文書いて営業時間書いて何月何日までに私のところにくださいと。そしたら500店舗分どーんと来て、これどうしよう?と。それからhtml覚えて、毎日寝ずに、デモページつくって。本当にひーひー言ってましたね。

1996年6月、「ぐるなび」オープン。
検索方法は、「エリアでしぼりこんで、お店を探す」という現在と同じシステムでした。
そして、「ぐるなび」のひとつの特徴となっている「クーポン」。
これも当初から 3割程度のお店が掲載しました。

当時は、クーポンっていうものがなかったんですよね。日本にはそんなになかったんじゃないかな。私が19歳のときにアメリカに行ったときに、奥様方がちらしについたクーポンを持って行くんですよ。それは結構びっくりしたんですよね。それがインターネットにのせようと思ったきっかけなんですけど。

掲載に応じるお店を探して、営業の日々が続きました。
そして 開設から半年後、、、お店から続々と反応が返ってくるようになったのです。
「クーポンを持ってきてくれるお客さんが増えている」。
97年2月ごろから関西へとエリアを拡大。
掲載してくれるお店を探して、今度は大阪や京都での営業が始まりました。

あれ、つらかったですね。特に京都は厳しいんです。何回も泣きましたからね。
あ、ここ泣いた公園だとか、ありますよ。でも受け入れてくれるとあたたかい人たちなんで、今私があるのは京都の経験があるからですよ。伏見のお好み焼き屋さんのおじちゃんが俺が京都戦略隊長やとかいって、地図を広げて、教えてくれて。
あのお店の誰のとこに行けとか、教えてくれたんですよ。

インターネットでお店と人をつなぐサイト。
最初にあったのは、会いに言って話をする。そしてまた会いに行く。
そんな人と人とのつながりだったのです。

「ぐるなび」の吉田真由美さんに 最後にこんな質問を。
サイトを通じて伝えたいこと、どんなことでしょう?

レストランで食事するのとかいいじゃないですか。みんなが話をしてコミュニケーションできて。そういうのが与えられる場が作れるのはいいなと思っているんですけど。
基本的には便利に。ユーザーに満足のいく情報を出していくんだ、というのと。お店にとってはサポーターであろうと。このふたつを一貫して言い続けているので、、、それが届けられることによって、日本中が元気になる。そんなサイトになれたらいいなと。

今や、毎月7億2000万ページビュー、1日平均2400万ページビューをほこるグルメ情報サイト「ぐるなび」。
「日本中を元気にしたい」。。。そんな想いを込めて日々新しい情報がアップされています。