今週のテーマは「世界における裁判への一般人の参加事情」。
今月21日から、いよいよ日本で裁判員制度がはじまります。
これは国民の中から選抜された人が裁判員として刑事裁判に参加し、被告人が有罪かどうか、有罪の場合どのような刑にするかを裁判官と一緒に決める制度です。
民事ではなく刑事裁判に参加することにより、裁判が身近で分かりやすいものとなり、司法に対する国民の信頼の向上につながるということが期待されています。
国民が裁判に参加する制度はアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア等でも行われています。
イギリス、日本テレビロンドン支局長の伊佐治健さん
アメリカと同じ陪審員制度。 800年ほど前からこのシステムは始まっている。
各裁判で12人の陪審員がいる。その役割とは薬物、泥棒、レイプ、殺人などの裁判にあたり証拠を見たり、聞いたりし、有罪・無罪の判決を出す。
処罰の内容、には関わらない。
どのように陪審員に選ばれるかというと、イングランドとウェールスのどの地方自治体にもある電子登録システムからランダムに選ばれる。陪審に参加するのは市民的義務。陪審員に呼ばれた場合、会社は休むことになる。
ドイツ、ベルリン。 ドイツ人むけ日本旅行ガイドの、ウォルフガング・バウアーさん
5年の任期で、自治体のなかから、25歳以上、ドイツ国民でこれまで刑罰を受けたことのない人が抽選で選ばれる。目的は、裁判官とは異なる法律的な知識・目で人を判決することではなくて、専門外の立場から主観で判断すること。
給料の代わりに公判期日に保証金をもらう。
4年間前から参審員に選出されその役目を喜んで引き受けている知人がいる。
彼は人を見る目も深まって、裁判官との話・相談も面白いとのこと。
裁判官も参審員の見解を尊重していおり、参審員は裁判官に判決の提案をすることもできる程の権限をもっている。