夏休み、そして早くも秋の連休に向け、旅行の計画をたてようと考えている方がいらっしゃるかもしれませんね。昨年からのウォン安を受けて、雑誌の多くが韓国を特集。今がイキドキとばかりに、とにかく韓国づくしの状態でした。
さて、今はどうでしょう? 女性をターゲットにした旅行雑誌を見てみると、デスティネーションはフランスやイタリア、北欧。王道ですね。しかし踏み込んだトラベルカルチャー誌ともいうべき専門誌の行き先はエッジが効いています。
『旅行人』160号はキューバ、『旅学』4号はサハラ砂漠を特集。これだけでもしびれますが、上には上がいます。
『TRANSIT』5号は、「美しきヒマラヤが呼んでいる」と題し、ネパール、ブータンなどヒマラヤを取り囲む国々を勢力取材。驚くのは、俳優の浅野忠信さんが、8日間に渡ってネパールを訪れ、象に乗ったり、修行者と一緒に
佇んだりしているページ。どんなシチュエーションでも、何の違和感もなく写真に収まっている浅野さんが魅力的です。
一方、冒険好きにとってヒマラヤと双璧をなす憧れの地と言えば、南極。
『Coyote』37号は、その名も「いざ、南極へ! 植村直己が向った旅の先」と題した100ページ以上の大特集を組んでいます。冒険家植村直己さんが、1972年にしたためた「南極偵察日記」を一挙掲載、夫人にインタビューしたりと、植村さんを通して、南極の姿や魅力を描くスタイルなので、植村さんファンにとっても魅力的な一冊に仕上がっています。
これらトラベルカルチャー誌の特徴は、魅力的なデスティネーションと、そこにまつわる人々を描いた紀行文の面白さ。いわゆるガイドブックとは一線を画した、読み物としての面白さが求められます。経済的にもそうですが、体力的にもきびしそうな秘境の旅。それを考えると、『世界の果てまでイッテQ!』で、インドネシア・コモド島へ行き、全長3mを超えるコモドドラゴンと徒競走した珍獣ハンター、イモトアヤコさんは本当にすごいですね。