イタリア北部、アルプスにほど近い避暑地のコモ湖。
真夏の日差しが、湖にきらきらと反射するのを見ながら、彼女は高原リゾートの涼しい風を感じて、大きく背伸び。
そして心に決めました。今日はカプチーノで朝ごはんにしよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
世界の食卓をご紹介、Cleansui Morning Table
今週はイタリアのアルプス地方です!!
南北に細長い、イタリアの国土。スイスとの国境を接する北部ロンバルディア州のコモ湖は、ミラノから約50kmという距離にありながら、別世界のアルプス地方の雰囲気があります。
古くはローマ皇帝や、ジュリアス・シーザーも訪れたというコモ湖。
「スターウォーズ・エピソード2」のロケ地としてもおなじみ。
今でも、雑誌フォーブス誌が「世界一のホテル」に選んだり、セレブリティの別荘があったり、というあこがれの地です。
夜更かしのイタリア人は朝食が軽め!?
カプチーノは、エスプレッソに泡立てた牛乳をそそいだものというのは、説明するまでもありませんが、イタリアでは朝食における飲み物の定番ですね。 ディナーの後に飲むという習慣はあまりないようです。
朝のバールで軽いクロワッサンやブリオッシュなどのパンと共にさっとすます、というのがよくあるモーニングの定番。
しかしコモ湖には、特別なパンがあるのです。
クリスマスが近づくとイタリア中で売り出されるフルーツ・ケーキのパネットーネ。
実はこのミルキーでふわふわとした味と食感は、このケーキを焼く元、となる酵母がポイントです。
それがパネットーネ酵母。
その起源はここ、コモ湖周辺だけで、生きながらえるという貴重な酵母です。
特徴は酵母だけでなく、乳酸菌が一緒に生きている、大変珍しいものということなんです。
アルプスに近い、清涼な気候だからこその名物なんでしょうね。
パネットーネ酵母で焼き上げられたブリオッシュは、ヨーグルトなどににた独特のほのかな酸味が、ベースの甘みの上に香ります。
甘みが主体で、お菓子のような他のブリオッシュとはちょっと違うんです。
エスプレッソの苦み、泡立てた牛乳の香り、そしてほのかな酸味と甘み。 パンとコーヒーだけの朝食と侮れません。
乳酸菌といえば、ヨーグルトのような液体をつい想像しがちなんですが、朝食のパンに含まれている健康食品なんですね。
イタリアの伝統的なクリスマスケーキのパネットーネも、実は半年ぐらいは保存できるので、マンマが沢山作ったり、親戚からもらったりすると、年を越しても朝食にまわることがあるようです。