2009/8/7 一休.com

今週は、この夏、使われる方も多いことでしょう。。。
ホテル、旅館の予約サイト、「一休.com」の誕生秘話。

1999年10月、「eオークション」というウェブサイトがオープンしました。
そして、このオークションサイトこそが、のちに ホテルや旅館の予約サイトとして成功をおさめる「一休.com」誕生のカギを握っていたのです。

ちょうどこの時期、Yahooもオークションサイトを始めました。 やはり、Yahooがやるとなると、数ではかなわない。 そこで何かキラーコンテンツがないかなと思っていたときに、新宿の今のハイアットリージェンシー新宿さんからホテルのスイートルームを出していただきました。 クリスマス・シーズンだったんですが、定価15万の部屋を1万円から落札スタートとやりましたら、3万円くらいで落札されたんですね。 15万だと難しくても3万から5万だったら、というお客さんと、空気にしておいてもしょうがないというホテル、双方のマッチングがうまくいきました。

クリスマスシーズンにオークションに出された「ホテルのスイートルーム」。
これがヒントとなりました。
当時、株式会社プライムリングでオークションサイトをスタートさせた森正文さんは年明け早々、動きます。
    

2000年の1月にホテルに年始の挨拶をかねて、営業してまわったところ、ホテルとしてはスイートというのは最上階とかごく一部で、それよりはツインとかダブルとかそういう部屋を山のように売りたい。
あるホテルの方がおっしゃったのは銀座のお寿司屋さんは、最高の生ものを扱っているというけれど、我々こそもっと高い生ものを扱っていると。
お寿司屋さんは、本日売れ残ったトロとかを冷蔵庫に入れて翌日のランチくらいまで引っ張って行けるかもしれないけれど、ホテルの部屋はそうはいかない。
冷蔵庫のない我々こそ究極の生ものを扱っていると。

だったら、その冷蔵庫になりたいと思った訳です。

ホテルの部屋にとっての「冷蔵庫」になりたい。
オークションサイトから、ホテルの予約サイトへ。。。
森さんのビジネスは大きく方向を変えることになります。

2004年に社名を、株式会社「一休」に変更。
今や およそ1000のホテル、旅館を扱う「一休.com」。
そのスタートは、いわゆるヴェンチャー企業です。
大手の生命保険会社に勤務されていた森 正文さんは30代の半ば「小さくてもいいから自分で会社をやりたい」そんな想いを抱きます。
会社に辞表を提出、そして。。。

会社っていうものを作って社長になるのがひとつの目標だから、すぐ2ヶ月後の98年の7月にわずか6坪くらいの事務所をつくりました。 そして、意気揚々と会社を作ったし、とりあえずコンサルティングの会社でもと思って、知っている会社の方に、「何でもやります」と。 そしたら、「何でもできるは、何もできないことだ」と言われまして。 法律のことだったら弁護士事務所に聞くし、経理のことなら会計事務所に聞くし、と言われましてね、、、 設立翌日に、がっくりしたとともに、そうなったら会社は作ったものの、仕事はどうしようと思って。

会社は作ったものの、なんと、業務内容がなかったのです。
経費だけがかかり、資金はどんどん減っていくという日々。
しかし、そこで ひとつのひらめきが舞い降りました。
    

インターネットバブルもまだ起きていない時期ですけど、Yahooはもう始まっていてYahooになぜ人が集まるのかを考えたときに、1ページ目さえいいものになっていたら人はくるんじゃないかと。
それで、アメリカで流行りはじめているサイトはどこかと探して、e-Bayというオークションサイトが当時上場したばかりだったんです。
それでe-Bayを参考にしてオークションサイトを作ってみようと。

友人およそ40人から合計4000万円を集め、オークションサイトを開設。 これが「eオークション」でした。
そして、「一休.com」の大きなヒントとなる、ホテルの部屋のオークション。

これを思いついたきっかけは。。。
  

お金はたくさんあるんで、倒産の日が一気に伸びたわけです、理論上。
それで何をやろうかずっと考えていたんでエネルギーがたまっていたわけです。
とりあえずオークションサイトをやる。手当たり次第、営業に行くしかない。
そうしたなかで、お酒飲んでて、新宿あたりぶらぶらしていて、電気がこうこうとついているビルがあってそれはサラリーマンが残業しているビル。
それでくらいところがまばらにあるビルがあって、それはホテルだったわけです。

森さんは、ハイアットリージェンシーに いわゆる 飛び込み営業。
スイートルームを オークションに出してもらうことに成功しました。

その後、オークションサイトではなく、予約サイトとして、ブランド力のあるホテルに特化した「一休.com」を開設。
究極のナマモノを扱う毎日が続いています。

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