宮崎県、日向灘に面した大淀川下流。
ヤシの木に似たフェニックスが海岸に並んでいます。
彼女は海から登る朝日に向かって、大きく背伸び。
そして心に決めました。今朝は夏バテしない朝食をとろう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
今週は日本から。九州の宮崎県です!!
南国情緒たっぷりのヤシの木の一種、フェニックス。
宮崎県の県の木としておなじみですが、これはもともと西アフリカのカナリア諸島が原産とされるもので、カナリーヤシという呼び方もあるようです。
東国原知事のアピールもあって、宮崎の特産品はいろいろと知られていますが、今朝の食卓はそのうちの一つ「冷や汁」。
実は「冷や汁」という名前、また名前が違っても同じような料理が全国には存在します。
中でも味噌をベースにした冷たいスープをごはんにかけて食べる、というレシピで、古くから郷土料理として存在。 全国でもポピュラーになってきたのは、宮崎平野を中心とした「冷や汁」ではないでしょうか。
もともとは忙しい農家の食事として素早く調理し、さらさらと流し込む、という目的で伝わったものにいろいろな工夫が重ねられ、料理としての一品になったのは、特に暑い夏をしのぐため、という気候風土によるものかも知れません。
普通のみそ汁は、昆布や出汁が決め手ですが、料理として確立された「冷や汁」では、このみそ汁の作り方に手間をかけています。
いりこや焼いた青魚の身をほぐしたものを、炒り胡麻と麦味噌と共にすり鉢に入れて、すりこぎですりつぶします。
そのよく混ざったペースト状の変わり味噌をすり鉢にのばして、直火であぶり、焦げ目がつくことで香ばしさを醸し出すのです。
それからだし汁をくわえて、伸ばしたものがベースとなります。
輪切りにしたキュウリ、細かく切った豆腐、それに千切りのしそやミョウガなどの薬味を加えて、その汁を十分に冷やします。
炊きたての朝ご飯に、よく冷えたスープをかける。
もしくはすり鉢のスープのなかに、直接ごはんを入れてそのまま食べる。
貴重な朝の時間に、手軽に栄養を摂ることができるのです。
宮崎の郷土料理のお店などでは、いわゆる「締め」。
の食事として出てくる場合も多く、一日中どの時間でも食べるようです。
最近は宮崎の宿泊施設で、特に朝ご飯と出されることも増えて、もともとの「家庭料理」としての側面も一般的になってきました。