以前、タイトルななめ読みでも紹介したことがあるのですが、10代〜20代の女性誌はよく「〜になりたい」という特集を組むんですよね。
多くの場合は、吉川ひなのさんやリンジー・ローハン、ケイト・モスという憧れのファッション・アイコン。「オシャレは人の真似から」を地で行く展開です。
しかし、近ごろ、そんな「なりたい」市場に大きな変化が訪れています。
なんと彼女たちは、人種を超えた壮大な願いを掲げ始めたのです。
たとえば『マキア』10月号。その名も「私たち、フランス人になりたいんです♥
リターンズ」です。リターンズという言葉でおわかりのように、さる7月号で同じ企画を組み、大好評だったことから再登場。ヘア&メイクアップアーティストの濱田マサルさんが、秋にピッタリなフランス人顔メイクを提案しているのですが、なぜフランス人限定なのか? という疑問は拭えません。
一方、別なアプローチでひねりを加えたのは、『ViVi』10月号。 表紙に踊る「外国人の子供ヘアになりたい!」というタイトルが気にかかります。
この秋、一番アツイ髪型は、ふわふわと柔らかくナチュラル感あふれる“外国人の子供ヘア”なのだとか。大人ではなく子供と限定するところが興味深いですよね。
しかし、そんな若い女性たちを尻目に、現実に根ざしたタイトルを掲げたのは、30代のミセスをターゲットとする『VERY』。9月号の特集は、ずばり「秋の私はペタンコで行く!」です。
ここで言うペタンコとはヒールのない靴のこと。子供をもつ読者が多いことから動きやすいペタンコ靴をこの秋のマストアイテムとして履きこなすという意気込みを表しているのですが、この有無をも言わせぬ切り口上と、ペタンコという言葉の響きのミスマッチ具合がなんともおもしろい。
意味がわからなくても、つい納得してしまいます。