サヘルはアラビア語で「岸辺」という意味です。
昔、南の黒人たちと交易をしていたアラブ系の人たちがサハラ砂漠を越えて初めに目にする緑をそう呼んだことから、現在ではサハラ砂漠南縁のサバンナの疎林の広がる地域のことをサヘル地域と呼んでいます。
私たちはこのサヘル地域に属する西アフリカのマリ共和国で、砂漠化防止と地域住民の生活の安定を目的として、1987年から今年で23年目になりますが、植林を中心とした活動を行っています。
気候変動による乾燥化や人口増加による過放牧、過伐採などによって林が確実に減少しています。
一度林が荒廃すると厳しい自然条件ですので、人の手助けなしでは回復は困難です。
また、現地の人々の生活にとって樹木は、薪炭に始まり、食用、工芸品、家畜の餌、伝統薬に至るまで、非常に重要な位置を占めています。
そうしたことからこのような林を取り戻すためには、現地の人たちが主体でなければならず、多くの地域で多くの人たちが林づくりができるよう、苗木を配布して現地の人々と一緒に木を植えています。
また国内では、多くのみなさんに活動を知っていただくためのイベントや報告会の開催、毎月第3土曜日に市民交流や人材育成、技術研修のための定例活動の開催、私たちの消費生活を見直すためのきっかけとして学校や自治体単位での牛乳パック回収活動などを行っています。