2009/10/23 イタリア カンパーニャ地方

イタリア、カンパーニャ地方。州都ナポリの郊外、ベスビオ火山を望んで彼女は大きく背伸び。

そして心に決めました。ジューシーな朝食を食べよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。

今週はイタリア。カンパーニャ地方です!!

今からおよそ2000年近く前の紀元79年。
大噴火による火砕流でふもとの街ポンペイを埋没させたことで有名なベスビオ火山。
1880年に火口まで登るフニコラーレという登山鉄道が開通。
そのコマーシャル・ソングとなったのが、おなじみにナポリ民謡「フニクリ・フニクラ」です。
そんなナポリは本場のピッツアが何と言っても有名ですが、このピッツアに欠かせないのが、高温の窯でとろけるモッツァレラ・チーズ。
しかも地産地消の水牛のミルクで作られた、モッツァレラ・ディ・ブーファラです。
牛乳で作った代用品よりも「アシが早く」新鮮な状態を保つ事ができるのはせいぜい2〜3日。だからこそここでしか新鮮なものは手に入れられないと言っても過言ではありません。

その製造工場は、まるでお豆腐屋さんのよう。

1頭からとれる量が牛乳より少ない水牛ミルク。
絞りたてを、沸騰する手前の高温で殺菌したのち、凝固剤を加えて、室温で自然冷却します。
しばらくすると、そのミルクは豆腐のように固まってきます。
これを切って、浮きあがってくる乳清を取りのぞき、沸騰したお湯をそこに加え、やわらかく戻します。
再び大きな塊になるように、職人が手でこねて粘りを出し、これを冷たい水槽の中に入れるのです。
ここで大きなお餅のような塊から、こぶし大に引きちぎるのですが、この引きちぎるという言葉がモッツァーレという動詞で、ここからこのチーズの名前がついたと言われます。
塩水につけた状態で出荷されます。

朝の食卓にはやはりトマトとあわせて

イタリア料理の前菜としても有名なカプレーゼ。ナポリ湾に浮かぶ島、カプリ島が発祥といわれていますが、赤いトマト、緑のバジリコ、白のモッツァレラがイタリアの国旗の色のコンピネーション。
チーズとトマトを同じ分厚さに輪切り、そこの間にバジリコの葉っぱをはさんで、塩とオリーブオイルを適当に振るだけ。
忙しい朝にもさっと作れて、ジューシーな喉ごしがたまらない一品です。

カンパーニャ地方にはパエストゥム、カゼルタなどの水牛のモッツァレラで有名な産地があります。
同じく小規模な生産者が多いため、イタリアのスローフード協会はその品質を評価する格付けを行いました。
有名なレストランガイドの星の数やワイングラスの数にちなんで、最高品質は水牛印3つ。
Tre Bufaleで、7つの生産者のみが指定されています。