ハワイのビッグアイランド。ハワイ島のルート19号。
ドライブインに立ち寄り、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。甘いものを食べよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
コナとヒロを結ぶルート19号は、南に富士山よりも高いマウナ・ケア、マウナ・ロアという山々がそびえているためノースショアをぐるりと迂回するように通っています。
2つの町の道のりのちょうど中間点、最北部にあたるのが、小さな街「ホノカア」。
日本から、またそれ以外の国からの移民が中心となるその街を舞台にした、小説「ホノカアボーイ」が人気になり、今年の春には映画化されたのは記憶に新しいですね。
マカダミアナッツやサトウキビの生産で栄えたのは今や昔。
今では住む人も減った田舎町ですが、古き良きハワイの面影が残る数少ない場所と言えるでしょう。
冒頭の彼女が立ち寄った、ルート19号沿いのドライブイン。
それがTEX DRIVE INというところです。
火山性の溶岩の上の舗装された道をひたすら走る単調なドライブに飽きた頃、オアシスのように人里が見えるところにあるドライブイン。
看板には店名よりも大きな「ONO KINE FOOD」という文字が…。
そう、ハワイ語でONO KINEとは「ウマいもの」という意味。
そしてその一押しメニューがマラサダという食べ物なのです。
ポルトガルの移民の一家が、1969年にこの地で開店した店では今や月7万個売れる、というヒット商品となったマラサダ。
寝起きのアタマにカツを入れる、甘い揚げパンのようなもの。
かりっとした歯触りと、噛み締めるほどにモチモチした食感。
まぶした砂糖のシンプルな甘さが、懐かしいようで、新しい。
ドーナッツとはひと味違う、クセになるようなおいしさです。
製造工程の、機械で生地をこねるところから揚げるところまで、すべて店内のガラス張りになったキッチンで見る事が出来ます。
値段はマラサダのプレーンが95セント。たくさん買えば安くなり、追加料金で、ババリアン・クリーム、チョコレート・クリーム、いちご、ペッパーゼリーなどを中につめてもらう事が出来ます。
目覚ましのコーヒーのお供は、プレーンでしょうか、それとも…。
実はこのマラサダは、ホノルルにある「レナーズ」というベーカリーのものも有名で、今年横浜の「みなとみらい」に支店ができました。
ポルトガル渡来のお菓子といえば、カステラ、コンペイ糖、ボーロなどが、日本に浸透しています。
でもハワイへのポルトガル移民を経由してやってきたというのが面白いところですね。
カロリーは高めですが、朝なら大丈夫。
シュガー・チャージは必要です。