今週は、池袋にあるテーマパーク、ナムコ・ナンジャタウンのHidden Story。
オープンから10年以上たった今も、多くの人を引きつける秘密に 迫ります。
池袋のサンシャイン・シティ。
友達同士、カップル、そして 家族連れがエスカレーターを登っていきます。
人々が目指しているのは、ナムコ・ナンジャタウン。
もう10数年にわたって人気を獲得し続ける テーマパークです。
ゲームを手がける会社ならではの さまざまなアトラクションに加え、餃子スタジアムやアイスクリーム・シティなど、「食」をエンターテイメントとして提供しているのが特徴です。
ナムコ・ナンジャタウン。 その始まりについて、株式会社ナムコの吉田憲正さんに伺いました。
もともとナムコがテーマパーク事情に参入したのが1992年に二子玉川にワンダーエグというのを作ったのが最初なんですね。 それがおかげさまでヒットしまして、その第2弾ということで、今度はよりもっと山手線の中、池袋、サンシャイン・シティというのは東京を代表する商業施設ですし、そこに屋内型のテーマパークを作ろうということで96年に完成したんですね。
「都心に、屋内型のテーマパークを作りたい」
そう考えていたところに「サンシャイン・シティのフロア3,000坪が空いている」という話が舞い込みました。
餃子とかアイスクリームとかはなくて、基本的にはアトラクション中心。 ナンジャタウンは基本コンセプトをエモーショナル・デジャヴと言いまして、昭和30年代であるとか、アメリカの50s、ヨーロッパのローマの休日であるとか、僕も昭和42年生まれなんで、30年代は生まれてないんですけど、ただ映画であるとかマンガであるとか小説であるとか、みんなどこかで見たことのあるような、、、行ったことはないけれど、懐かしく思える町を。 そのなかに遊びの要素としてアトラクションはあるんですけど、どちらかと言えばアトラクションがメインというよりは「町を新たに作り出す」というコンセプトでナンジャタウンを作ったんですね。
行ったことはないけれど、懐かしい町。
ナンジャタウンに入ると、そこには昭和の町並みが広がっています。
建物は木造で、時間帯は夕暮れ。
駄菓子屋さん、電気屋さんに、理容室。。。商店街がイキイキとしていた時代です。
非常に広いんですよね、ここは。 すごくこう、町なんで、道を入り組ませてて、わざと迷ってしまうような、迷路じゃないですけど、路地を作っていて、全部歩くと2キロあるんですよ。 町のなかに、いろんな遊びがあって、例えば電気屋さんのノブをさわるとビリビリビリときたり。 牛乳入れをあけるとモーと牛がないたりとか。そういうプリミティブな遊びを散りばめているんですね。
まったく新しい。 でもどこか懐かしい町。
これをコンセプトに生まれたナムコ・ナンジャタウン。
オープンから6年後。 今度は「食」の分野に乗り出します。
横浜で「カレー・ミュージアム」を成功させた経験を活かし、ナンジャタウンに「食」を導入するプランが持ち上がりました。
テーマは、「餃子」。
カレーはそのときカレーミュージアムがあったんで、ラーメンという発想もあったんですが、ラーメン博物館さんが非常にクオリティの高い施設をやられていたので、私どもにはハードルが高いな、と。 いろいろ考えているときに、ご当地っていうのが、その地方に行かないと食べられない食というのがあって、それが集まったイベントというのがものすごい人気があったんですね。いろんなことを考えていたときに、宇都宮の餃子というのがちょうど脚光を浴びて来た時代で。
で、餃子って、そんなに地方にあると思っていなかったんですけど、餃子を調べてみようかとなってリサーチしたら、ほんとに全国いろんなところに土地の餃子があって、しかもびっくりするくらい美味しかったんですね。
チームに衝撃が走りました。日本全国津々浦々にさまざまな種類の餃子がある。
しかも、それは、その土地の人に愛されている。
これはいける!
出店交渉が始まります。
そして、このお店選びについて、意外なことが 力となったのです。
例えば、雑誌を読んだり、インターネットで調べたりというのもあるんですけど、どちらかというと、クチコミです。 われわれはゲームセンターのオペレーションをやっている会社なので、全国にあるんですよね。 それぞれの土地の仲間にきくと、実はどこどこの餃子がおいしいんだと、口コミで教えてもらって、、、あとはプロジェクトのスタッフが行って「いや〜美味い。ぜひ出してほしいんだけど」というそれの繰り返しでしたね。
2002年7月、餃子スタジアム オープン。
その反響は絶大でした。
翌2003年には、アイスクリーム・シティさらに2004年には デザート共和国。。。ナンジャタウンの中に、食のエンターテイメント施設が 続々と登場しました。
そもそも、ナムコの専門ではない「食」。
しかし、そこには、テーマパークを いきいきとさせる何かが 確実に備わっていたのです。
お客様に楽しんでいただく。よく言うのは、満腹の腹が幸福の福っていう。 楽しくなって帰っていただくというのを実現できればと。 ただおなかがすいたから食べるというのではなく、ここへきて、選ぶ楽しさとか、お店の人とのコミュニケーションもあって、それで食べ比べですからみんなで突きながら、そこはそこで楽しい時間ができて。 それはアイスクリームでもそうですし、そこはまったくぶれてないつもりなんですね。