2010/2/12 IMAXデジタルシアターのHidden Story
今週は、現在、映画『アバター』を上映中。 IMAXデジタルシアターのHidden Story。
IMAXデジタルシアター。現在、日本にあるのは4館だけです。
神奈川県川崎市、埼玉県の菖蒲町、大阪府箕面市、そして、愛知県名古屋市。
手がけているのは、株式会社 東急レクリエーション。
まずは、プロジェクトリーダーの久保正則さんにIMAXデジタルシアターとはどんなシアターなのか、教えていただきました。
IMAXデジタルとは、カナダにありますIMAX社が開発した上映システムの名称です。
通常のシアターに比べて、圧倒的に臨場感のある映像体験を提供できるのが特徴です。
IMAXの作品には、独自のデジタルリマスタリング技術でつくられたIMAX版のほかに、専用の3D眼鏡を装着して鑑賞していただく立体上映、IMAX 3D版があります。
IMAXの技術は、以前から日本に入っていました。
しかし、これまでは、科学館などで教育目的のために使われるのがメインでした。
東急レクリエーションが導入したのは、ハリウッド映画の上映を目的としたIMAXデジタル。
そもそも その技術を取り入れようと考えた理由とは？
日本でシネマコンプレックス、シネコンという複合型映画館が増え始めたのが90年代後半です。
どこでも同じ映画が見られるシネコンが支持されて、国内の映画館のスクリーン数は10年間、右肩上がりで増えているんですね。
しかしながら、実際に映画館に足を運んでいただく観客動員数、これは、微増なんです。
つまり、1スクリーンあたりの集客数が落ちているんですね。
理由はいろいろ考えられますが、DVD、大型テレビの普及、環境を選ばなければどこでも映画を見られるようになってきたわけです。
私どもは、この状況を打破するためには、IMAXデジタルを導入すること。これを起爆剤にしたいと考えました。
映画館でなければ体験できない、迫力ある映像や音。
これを実現するためには、IMAXデジタルシアターしかない。
チームは、カナダのIMAX社と交渉をスタートしました。
そして、、、
劇場もですね、全部の劇場に入れられるわけじゃなくて、IMAXの基準を満たせるところじゃないとだめなんですね。
スクリーンの大きさだとか、天井の高さとか、ハードの部分をクリアしないと導入できないということで。。。
例えば、音の問題だとか、見上げる角度だとか、いろんなことがあるんですけども。
そういう基準を満たすように、私どもの劇場を改修していくんです。
映画館のマスクってわかります？両端と上下に黒いのがついているんですが、それがないんです。全部スクリーンなんです。
最新の上映作品は、「アバター」。
週末のみならず 平日も 連日満席の人気となっています。
IMAXデジタルシアターで上映中の映画「アバター」について、東急レクリエーションの久保正則さんは、こんなコメント。
アバターはすごいですね。
ジェームズ・キャメロン監督が構想を練りに練った作品ですから当然かもしれませんが、それにしてもすごいですよね。 このアバターで3Dが相当認知されましたよね。
アバターって、結構奥行き感を楽しんだり、画面を見ていて自分がそこにいるような感じなんですよ。
シーンのなかで小さい描写、森の中で小さい虫が飛んでいるのまではっきり見えます。
IMAXデジタルシアター。
より素晴らしい映像を届けるための秘密をひとつ、公開していただきました。
2台プロジェクターがあって、ただ映しているだけじゃなくて、自分たちが映すところにもう1台カメラがあって、そのカメラで自分たちが映した状態を常にモニタリングしているんですよ。画面をチェックして。
明るさにむらがないかとか、そういうのを撮って、フィードバックカメラっていうんですけど、最適な状態に保っている。
IMAXデジタルシアターで これまでに上映した映画は、『アバター』のほかに、『トランスフォーマー リベンジ』『ハリーポッターと謎のプリンス』、『ナイトミュージアム2』『クリスマス・キャロル』、そして『This Is It』 など。
プロジェクトリーダーの久保さんいわく、「もっとシアターの数を増やして多くの人に体験してほしい」。
そこにはこんな想いが込められています。
日本の映画鑑賞人数って、去年は少し上がったんですが、平均1.2〜3回くらいですかね。 多くないじゃないですか。
平均ですから、実際にはリピートしていただいている映画ファンの方もいらっしゃると思うので、1回も見てない人もいると思うんですよ。
そういったライトユーザーがどんどん映画館に足を運んでくれる状況を作らなくちゃ。
新たにニーズを反影したシアター作りをしていかなくちゃいけないと思ってますけど。
