2010/2/26 東京マラソンのHidden Story

今週は、いよいよあさって、第4回目が開催される、「東京マラソン」。
およそ3万5千人が参加する大会を舞台裏で支えるボランティアのHidden Story。

東京マラソン。
最初に開催されたのは、2007年のことでした。
そもそもどんな大会にすべく始まったのか?
東京マラソン 広報渉外部長の早野忠昭さんはこう振り返ります。

海外でニューヨークマラソンとか、ロンドンマラソンとか海外のメジャーなマラソンに比肩するマラソンが、東京、、、世界都市でありますから、そこにないのはおかしいんじゃないか、ということで、今までのエリートレースと同時に市民が3万人走る大会を、ということで始まったのが東京マラソンです。

走る喜びを知るランナーという視点、それから支える誇り、これはスタッフとかボランティアですね、それからテレビや沿道で見る方も応援する楽しみを持つ。
で、その一日が「東京がひとつになる日」とまとまるような大会を作るということでやっています。

東京でおこなわれることが決まった大規模な市民マラソン。
海外の例を見ても、開催するためには、ボランティアの力が欠かせません。

スポーツ大会のボランティアに関するスペシャリスト、浦久保和哉さんがチームに加わりました。
浦久保さんが最初に取り組んだのは。。。

「支える誇り」という話が早野からありましたが、支えるのはスタッフとボランティアの2つに大別できます。
その境目、スタッフがどんなことをしてボランティアがどんなことをするのか、という線引きをやりました。

次は、何人くらいでできるのか、人数だしですね。
で、ただいればできるというものではないので、どんな形で管理して動かして行くのか?
42.195キロに散らばって活動するので、ひとりでは管理できないですよね。
管理する人たちを決め、その管理する人をどのくらい集めるのか、そのような設計をまず始めました。

必要となるボランティアの数として はじき出されたのはおよそ1万人。
今や広く知られる「東京マラソン」ですが、最初の年、ボランティアの募集は思うように進みませんでした。

最初は苦労しました。
今みたいに回を重ねてくれば「この時期から始まるな」と分かるんですが、我々は情熱を持って海外の大会も見て来ているんですが、みなさんは、まだそれがどんな大会で、面白いかどうかも伝わらないので、そこは苦労しました。

我々のボランティアの担当でいくつかやりました。
ひとりひとり集めるのは大変なんで、沿道の会社、今、大きな企業さんは社会貢献、CSRということでボランティア活動をいろいろやってらっしゃいます。
「沿道の地図で会社のリストを作って、電話をかけてアポイントをとって参加していただけませんか?」というようなこともやりましたね。

ボランティアは何とか集まりました。
活動内容も 徐々に具体化されてきました。
2007年2月18日、第一回開催のその日が近づいてきます。

「東京マラソン」。
第一回大会には、およそ1万3千人のボランティアが参加しました。
ボランティアのみなさんが大会当日にする作業、どんなことがあるかというと。。。

スタートから言いますと、この大会はスタートとフィニッシュが違いますので、みなさん荷物を持って集まって、着替えてスタートしますので、その荷物を預かります。
この荷物を2カ所のフィニッシュ地点に運びますので、トラックに積み込むという作業があります。
あとは会場も東京都庁という都内の方はお越しになったことがあると思うんですが、全国からいらっしゃるので、会場内を案内するボランティアとか。
その狭い会場を3万人が集まってスタートしますので、それを整列させる役割だとか。
あとは、42.195キロ、沿道に人が立ち入らないようにする役割、等間隔に立っていきます。
それから給食、給水を渡す役割。それからフィニッシュでは、10キロとフルマラソンで荷物を返す役割が発生するので、きちんと預かった荷物を返す。
あとはゴールでメダルをひとりひとりかけてあげる。
みなさんが目にするランナーに対するサービスはすべてボランティアですね。
200数十種類あるんですかね、活動が。

それぞれの作業に 分かりやすいマニュアルが作られました。 そして、第一回の東京マラソン開催の日がやってきます。 しかし、その朝。 想定していなかったことが起こりました。 2007年2月18日、その朝、強い雨が降っていたのです。

スタート地点に立った ボランティア部門のチーフ、浦久保さんはその光景に“あぜん”としました。

3万人の人がさしていたかどうかは分からないですが、みんなビニールの傘をさしていてですね。
これをどうやってスタートさせるのか、というのは悩みましたけど。
あの、拡声器でですね、「この大会、ようやくできました」と。
「みんなが傘を投げ捨てたら大変なことになります。来年からこの大会できないかもしれません。
とにかく今から言う通りにしてくださいと。傘をとじてください、とじたあとは、左手のほうが都庁側ですから、そちらにバケツリレーのように渡してください」と。
バケツリレーじゃないですね、傘リレーですか。

傘はとじられ、コース脇に寄せられました。
ランナー3万人、ボランティア1万3千人。
第一回の東京マラソンがスタートしました。

ボランティアということ自体は、スタッフのできないことを手伝うということではなく、それをやることの誇りを感じていただいている場面を感じることが多かったですね。
多分そういう感動をやった人も感じていただけていると思いますね(早野)

実際その人たちがランナーとして戻ってくるので。
そして、ランナーの人も声をかけてもらってよかった、ということでボランティアとして戻って来てくれるということもあるので。(浦久保)

東京マラソンっていうのが、ボランティアの側面を入れて、「決してスポーツエリートだけじゃない人々が東京マラソンを作ってきてるな」という気がしますね。(早野)

「東京がひとつになる日、東京マラソン」。
今年もまもなくスタートのときを迎えます。

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