2010/3/5 カナダ ケベック州

冬季オリンピックの興奮もさめやらぬカナダ、バンクーバーとは反対の東側に位置するケベック州。まだ明けやらぬ東の空を望み、白い吐息があたりに充満する中、彼女は大きく背伸び。

そして心に決めました。トーストと暖かい紅茶の朝食を摂ろう。だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。

今週はカナダの東側、ケベック州です!!

首都のオタワ、そしてモントリオールがあるケベック州。
住民の多くがフランス系を中心にしたヨーロッパ人で、もちろん英語が共通語とはなっているものの、半数以上が第一言語をフランス語としています。
そのうえ、石造りの建物や石畳の道路がかもし出す雰囲気は、あくまでフランス風。

そして人々の暮らしは、ラテン民族の文化を反映していて、西側のバンクーバーとは全く異なる表情を見せています。

ケベックの名産品はいまの時期が収穫のピークです

世界中で有名なカナダの名産といえば、「メープルシロップ」。
そして中でも品質が高くブランドになるのはケベック州が原産です。
山あいの「シュガーブッシュ」という異名を持つ、サトウカエデの木立の中で、寒暖の差が激しくなる山の中には「シュガーシャック」という名前の小屋が作られ、カエデの木に小さな穴をあけ、したたり落ちる甘い樹液を集めます。

バケツやビニール・ホースなどで採取される蜜は、1本の木からおよそ 40〜80 リットルにもおよびます。
1年のうちのたった数日が勝負。そしてカナダの生産者は厳しくその品質管理を行っていて、規定に沿って煮詰めたシロップの、琥珀色の度合いが薄ければ薄いほど上等なものとされます。

もちろんNo1等級に添加物はありません。一番搾りは繊細な味で口の中に甘味のあとをひかないのですが、収穫が後になるほど、色や香りが濃くなっていきます。

ただ冬が寒ければ寒いほど、上質な樹液が出てくるのは事実。
ですから暖冬は「メープルシロップ」の大敵なんです。

トーストと紅茶がごちそうになります。

カルシウムやマグネシウムをはじめとして、体のバランスを整える亜鉛やカリウムといったミネラル豊富に含む「メープルシロップ」。
カロリーは低いので、トーストにも、熱い紅茶にもたっぷりとたらして、アタマを目覚めさせましょう。こんがり焼いたトースト。
もちろん食パンでもいいのですが、やはりここは牛乳と卵、そしてバゲットで、ひと手間かけたフレンチ・トーストにしたいものです。

メープルシロップの産地では、収穫はまさにお祭り騒ぎです。
期間中臨時で開設される小屋では、ホットケーキやワッフル、そして、きれいな雪の上にあつあつのメープルシロップをかけたかき氷のような「メイプルタフィー」などが食べられます。
人気のあるところには、寒さの中でも行列ができるほどだとか。