ようやく暖かくなってきました。
「どんなに寒くても朝の犬の散歩を欠かさない」という方もいらっしゃると思います。
そんなMan’s Best Friendと呼ばれるワンちゃんの「世界の飼い犬事情」。 あの国ではどうでしょうか。
ロンドン ホールデンマリさん
「イギリス人の犬の愛し方は、誠実でほほえましく、日本人とは違います」
バンコク 山崎幸恵さん
「“犬や猫を愛玩動物として飼う”という発想自体があまりないみたい」
古くからイギリスの貴族の肖像画や偉業を成した人の銅像をみれば、犬は飼い主と一緒に描かれていたり、一緒に並んでいることからも犬がコンパニオンであったことがわかる。
しかし、イギリスにおいて犬を飼うことにはもっと実利的な意味があった。
たとえば農家で家畜を飼ったり、狩りをするのに役立ったり、敷地を守る役目を果たしてきた。そのため一家にとって大切な存在。家族の一員。
イギリスにはペットショップはあまりなく、ほとんどの人がブリーダーと言われる人たちから犬を買う。
ブリーダーという職業に就く人が多いのも、狩りや農業など仕事をする犬に対する需要が大きいから。
また犬のためのシェルターも多い。
だから犬や飼い主にとってとても住みやすい国。
地下鉄でもバスでも犬と一緒に乗れる。
さらに、パブでは「汚れた靴を履いた人間」や「うるさい子ども」は嫌がられても、犬は歓迎されるのがイギリス。
犬はあまりイメージが良くない生き物で、日本で「権力の犬」などと言う同じ意味とか「怠け者」のイメージがある。
その理由は、道端に大量の野良犬がゴロゴロと寝転がっているから。
道皮膚病にやられていたり、ノミ・ダニがいたりと、キレイな毛並みのものはほとんど見当たりません。
狂犬病で年間50人が死亡していることもあり、野良犬を撫でるなんてもってのほか。
屋台のおじさんおばさんたちが営業終了後に余った料理をやったりしていますが、彼らも決して触りません。
ただタイのプミポン国王陛下は大の犬好きで知られ、野良犬を引き取って育てている。
中でも賢いトンデーンというメスは、ロイヤルドッグとして寵愛を受け、王様自らトンデーンとの出会いのエピソードを書き下ろした本まで出版、5年ほど前にベストセラーになりました。
「奇跡の名犬物語」という邦題で日本語訳も出ている。
お金持ちの家庭ではマルチーズやチワワ、ポメラニアンなど、血統書つきの小型犬を室内飼いする人が増えてきている。
ペットショップもあるけれど週末市場などで500バーツくらいで血統書はないが、純血種だと偽って犬猫を売っているコーナーがある。
知人の家で生まれたものをもらってくるほうが多いよう。
大型犬は、熱帯では散歩に出るのに勇気がいるからか人気がない。
ペットの飼育やしつけに関しては、金持ちタイ人は最悪。
高級デパート内でもぬいぐるみのように連れ歩き、落し物もそのまま。