アメリカ、ミシシッピ川。
ゆったりと流れる広い河口を行き交う大きな船を見て、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。 地元の朝ごはんにしよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
今週はアメリカの南部、ミシシッピ川の下流地域です!!
先住民の言葉で「大きな川」という意味のミシシッピ。
アメリカ10の州を流れ、南部の流域は「デルタ」と呼ばれます。
独特のブルース・ミュージックの発祥の地としてもおなじみですね。
一般的なイメージのアメリカとは違った風土と暮らし。
そして「コーンベルト」つまりアメリカ南部を帯のように覆う「とうもろこし」の栽培が盛んな穀倉地帯であることが特徴です。
世界のトウモロコシの半分を生産するここでしか食べられない朝食。
それはとうもろこしの黄色い皮以外の、白い実の部分を粉にして作ったおかゆ「グリッツ」です。
アメリカでも大都会ではめったにお目にかかれないものです
ニューヨークやロサンゼルスなどでも、めったにホンモノに巡り合えないのがこのグリッツ。
基本的に質素な家庭の朝食ですからレストランなどで出てくる事はありません。
味はほとんどなく、薄いマッシュト・ポテトのような、おかゆのような、ざらついた食感。
暖かいうちにバターを溶かして、もしくはベーコンやチーズが粉状になったものをふりかけて食べるのです。
しかし南部の人々は基本は何も入れずに、シリアルのようにサッと食します。
日本人の感覚からいえば、家畜の飼料のようなものですが、親から子へ、その食習慣が受け継がれている人々にとっては、これが立派な朝食なのです。
南部には珍しい「甘くない」食べ物
パンケーキにバターとシロップ。 砂糖いっぱいのコーンフレーク。
南部に限らない典型的なアメリカの朝食ですが、「グリッツ」はそうした朝ご飯とは全く違う、甘味がない朝食。
慣れればディープ・サウスを一層理解できるでしょう。