2010/5/21 神保成章さんの情熱物語

今週は、街頭の大型ビジョンに映し出される映像を使った新しい事業にトライする挑戦者。
神保成章さんの情熱物語。

愛知県名古屋市にある会社、 CITY MEDIAの代表取締役社長、神保成章さん。
彼が、街頭の大型ビジョンを使って 事業を展開しようと思ったきっかけ、それはごくシンプルなものでした。

私のような名古屋のものが東京に出て来て、今のようにこんなに高いビルがたくさん建つ前ですね、空を見上げて、渋谷新宿のビルの壁面になぜか大きなテレビがついていると。これは一体、何なんだと。それが私の事業の始まりだったわけです。

大きな画面に映し出されていたのは、海を渡った野茂英雄投手。
アメリカの強打者を圧倒するトルネードは、大きなインスピレーションにつながります。
情報を発信するだけではなく、この大型ビジョンを使って、キャッチボール、つまり、双方向のコミュニケーションができないだろうか?
そのアイディアと、神保さんがずっと抱いて来た想いが重なります。

文化は都市で生まれるもんだと考えてますので、例えば、ピカソにしてもロートレックにしても新しい前衛文化というのは都市で生まれますので、カフェとか情報を提供できる場所、交換できるところがあればそこに文化が生まれると。
ですから、我々のメディアは何か新たな情報を都市で多くの人に見せることでそこで何かを生み出すと、そういう力になりたいと。

 

都市にある大型ビジョンの前に、新しいコミュニケーション空間を作る。
そのためには、その場所を 無線LANが無料で使えるフリースポットにする。
そして、挑戦者が描く理想の形とは……

ビューアーの前を、新たな双方向で情報伝達ができる空間を作ると。
そこで水泳のシーンが見れれば、あの水着は何なんだろうと思うと、その企業さんのホームページに入って、その製品のいいところ、悪いところがわかるとか。
例えば、できれば、ヒルズのエスカレーターを上がってくると、グルメ情報が出ていて、iPhoneを見ればヒルズのランチ情報、美術館情報が分かると。

 

パブリック・スペースにある大型ビジョンの前に無料の無線LANを敷設して、双方向型のコミュニケーション空間にする。
株式会社 CITY MEDIAの神保成章さんの試みは、すでに各地で始まっています。

     

新宿、渋谷、原宿、六本木、名古屋駅前にはすでに敷設されていますし、大阪も含め関西エリア、さらには柏、大宮といった関東圏を含め、どんどん広げようとしています。

例えば、新宿アルタ前や 渋谷のハチ公前で今、利用できるのは、音楽配信サイトと連携した音楽カウントダウン番組。
大型ビジョンで流れる曲を気に入れば、その場で手にいれることができるサービスです。
そして、今後、視野に入れているのは、日本に紹介されていないスポーツの紹介。
さらに、新しいアーティストの活躍の場としても活用できないか?
さまざまなアイディアがあふれ出しています。

今テスト的に手がけているのは、若い人たち、CGの動画を含めて、ビューアーの前のひとつのサイトで投稿することによって、それをみんなが批評しあうような……
ビューアーというのは大きいですよね、見たこともないサイズでまだまだ世の中に登場していないグラフィックスが出てくると、文化の息吹を感じられて、話題になるんですね。
都市にくればまずビューアーの前に立って、その都市の一番ホットな情報を手に入れる、というのがひとつの目的ですし、twitterとか、投稿型のソフトさえあれば、今この店で美味しいものを食べました的な情報交換、さらに多くの人と共有するようなメディア空間ができると考えています。

 

「通勤でいつもそこを通る人に、休日に遊びに来た人に、待ち合わせでたまたま通りかかった人に、市の入り口で情報を提供する。
そこから文化が生まれていくはずだ」
神保成章さんは力強くそう語ってくれました。

世界的。 向こうのメディアの方と意見交換しても、ないですね。 ああいうメディアは。 100万人もの人が乗降するようなひとつのステーション・エリアで……
こんな大きな……だいたい大きなビューアーがビルの壁面についていて音まで出して、サービスを提供しているというのは世界中で稀な事業ですので。
よく向こうのスタッフが言うんですが、日本に行くと、大きなビルの壁面にテレビがついていて、あれは何なんだと。

さまざまな情報を扱う大型ビジョンが当たり前のように存在する東京。
ビジョンに描く新しいビジョン。
今、これまでにはなかったコミュニケーションが 広がろうとしています。