2010/8/13 日本のプロレス界を飛び出して、WWEのリングへと活動の場を広げたYoshi Tatsu選手のHidden Story

今週は、日本のプロレス界を飛び出して、アメリカの一大スポーツ・エンターテイメント、WWEのリングへと活動の場を広げた日本人、Yoshi Tatsu選手のHidden Story。

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World Wrestling Entertainment、WWE。

» WWE JAPAN TOUR 2010

それは日本のプロレスとは違い、ストーリー性が高く、
派手な演出が加えられた、まさにスポーツ・エンターテイメント。
選手は、レスラーではなく、スーパースターと呼ばれます。
そのWWEのスーパースターとなったのが、
Yoshi Tatsu。 本名、山本尚文さん。
大学卒業後、
新日本プロレスに入門。
山本尚文、、、本名でリングにあがります。

6年間新日本でやらせてもらったんですけど、ちょっと芽が出なくて、そのときに、ちょうど僕が伸び悩んでいたときに、新日本の菅林会長から海外遠征のお話をいただいたので、、、WWEのディペロップメント、2軍ですね、、、そこに修行に行かせてほしい、ということを言いました。

2007年11月、単身、アメリカへ。
そして、その海外遠征の最中、、、Yoshi Tatsu選手はある情報に 大きな衝撃を受けることになります。

フロリダにいるときに新日本の情報をチェックしていたら、同期に中邑選手という選手がいて、中邑選手がIWGPのベルトを奪ってしまったんですね。 僕はもともとIWGPのベルトを巻きたいというのが根本にあったので、その選手を抜けないということはIWGPのベルトを巻けないということなので、もうこのままレスリングを続けるかどうかかまで考えたんですけど、そのときにひとつだけ、中邑選手とか棚橋選手っているんですけど、その選手を抜く方法をひとつだけ思いついたんです。 それは世界のトップであるWWEに入って、そこで1軍に上がって、そのなかで世界のトップレスラーたちにもまれて世界的に名を上げれば、中邑、棚橋を抜けるんじゃないかと思ったのがきっかけですね。その方法しか僕には思いつかなかったので。

決断のときがきました。
日本に残した奥さまには一言も相談することなく、のちに、Yoshi Tatsuと名乗る男、山本尚文さんは新日本プロレスを脱退して WWEを目指そうと決めたのです。

妻は、もともと新日本プロレスの社員で、僕が新日本に在籍しているときに知り合って結婚したんですね。レスラーがどんな生き物かっていうのをよく分かってるというのを感じたので、、、まだ娘が生まれて2〜3ヶ月だったんですけど、実際に口に出してそのことを彼女に聞いてしまったら、無理をして、やめていいとその道を進めと、無理に言っている姿を見てしまうと僕の決断はにぶると思ったので、あえて言いませんでした。

まさに背水の陣。アメリカでの挑戦が始まりました。

日本のプロレスを飛び出して、アメリカのスポーツ・エンターテイメント WWEを目指すことになった、山本尚文さん。
まずは、フロリダにある下部組織、FCWのトライアウトをパスしなければなりませんでした。

基本的に試合なんですけど、今までやったことのないような相手といきなりポーンとやらされて、本当に目の肥えた世界のトップエージェントが見守るなかでの試合で、それで、そのエージェント全員が首を縦にふらないとパスできないので、相当敷居は高いと思います。
えーっと、普通はトライアウトを受ける者同士で試合をやるんですけど、僕の場合は、一番最後に受けろって言われたんですね。そしたら、よ〜く考えたら、最後、奇数になってたんですね。あれ?対戦相手いないんじゃないかな?っておろおろしてて。オフィスの人も
「あれ?一人余ってるじゃん」という雰囲気になってって。
この業界、雰囲気とか空気とかを大事にするので、エージェントたちも「帰ろうぜ」っていう雰囲気になって。そのときに、FCWのコーチを受けていたビリーキッドマンっていう、この人は何度もチャンピオンになっている人が名乗りを上げてくれて、、、 それで僕はビリーキッドマンと試合をしたんですね。

翌日、電話が鳴ります。
トライアウトをパス。FCWへの参戦が決まりました。
父親の名前、「Yoshi Tatsu」にリングネームを変更。
一日に行われる試合のうち、セミファイナルの前のマッチを戦うところまでは いきました。でも、、、いつまでたってもそこから先、重要な試合には出場できません。
Yoshi Tatsu選手は、覚悟をしていました。

妻にもオフィスもここが俺の限界だと思っているのかもしれない、と言っていて。首になるかもしれないから覚悟をしていてくれと言っていたんですね。もうちょっと限界かもってことを言っていたときに、オフィスから電話がかかってきたんですね。妻と一緒に部屋にいるときにオフィスから電話がかかってきて、「わ〜、オフィスだ」と言って。。。
そしたら、「今週末からロードに出ろ」って言われたんですね。「ロードに出ろ」っていうのはデビューではないんですけど、「一軍の選手に合流しろ」って言われたんです。

クビになると思って電話に出たら、いきなり「ロードに出ろ」。さらに、驚きの展開は続きます。

いざ、そこのテレビのところに行ってみたら、、、会場入りしてみたら、オフィスの人に呼ばれて、「お前、今日、デビューだ」って言われて。「へー」と思って。いきなりダークマッチをやらせてもらえるのかと思って、「俺、ダークマッチやらせてもらえるんですか?」って言ったら、「俺は今、デビューって言っただろ」って言われて。いきなりその日にデビューだったんですね。

しかも、対戦相手は、過去に何度もチャンピオンになっているシェルトン・ベンジャミン。


すげえ、嫌そうでしたね。マイクで言ってたんですけど。「お前名前なんて言うか知らないけど、お前はデビューの日を間違えたな」みたいなことを言われたんですね。

マイクが終わったあとに、ゴングが鳴ったあとも、おじぎしてたりしてたのでゴングが鳴ったってことは攻撃をしていいんだなと思って。

彼が深くおじぎしたときにハイキックをしたんですね。

そしたら、思いっきりハイキックが入って、彼がのびてしまって、それをフォールしてカウントが入って、デビュー戦でいきなり勝ってしまったんですね。


WWEスーパースター、Yoshi Tatsu。
視線の先にあるのは、WWEのチャンピオン。
戦いは続きます。