2010/10/22 フランス パリ

パリの北駅。朝からごった返すターミナルの喧騒から外に出て、冷え込んだ空気の中、白い息を吐いて彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。暖まるカフェオレを飲もう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。

今週は月末に羽田からの直行便が就航するパリです!! 

短い秋を経て、冬の訪れが急なパリ。
シャルルドゴール空港から、最も近い鉄道ターミナルであるパリ北駅には、地下にメトロ4号線の駅があります。 通称「ドルレアン=クリニャンクール線」と呼ばれる、この地下鉄路線の終点はポルト・ド・クリニャンクール。 「蚤の市」で有名です。 アンティークの家具や、生活雑貨、レースやクロスなどの生地など古くても味のあるものが揃っていますが、旅行者が気軽に買えるのはカフェオレボウルという、どんぶりのような陶器の食器でしょうか。

アンティークの定番商品のカフェオレボウル。

カフェオレボウルはフランス語でbol a café au lait
その名のとおりカフェオレを飲むためだけに使われる器です。 一般的にフランス人は手で食器を持って食べる習慣はありません。しかしカフェオレボウルだけは、両手で持って、口に近づけて飲むのです。フランス各地の焼き物の名産地では、さまざまなデザインや質感のものがあり、家族一人一人にお気に入りの物が決まっている伝統的な器です。

レストランなどではまず出てこない、家庭だけの食器。 日本人の感覚でいう「ご飯茶わん」に近いかも知れません。 冬場は暖かいカフェオレを飲むと同時に、両手も温まります。

フランスのカフェオレは牛乳とコーヒーが5対5

もちろん好みによって割合が変わることもありますが、暖めた牛乳と、深煎りの苦味がしっかりした濃いコーヒーは同じ量を同時に入れるのが基本です。 そして砂糖も入れないので、ティースプーンなどでかき混ぜるということもしません。 コーヒーよりも牛乳の方が液体の比重が大きいので、しっかりと混ぜるために、一緒にカフェオレボウルに注ぐのです。 さてほろ苦い目覚めの一杯をいただきましょうか。

砂糖は入れずに作るカフェオレですが、一緒に食べるのはチョコレートが入った「パン・オ・ショコラ」や干しぶどうが入った「パン・オ・レザン」など甘いパンが一般的。そこで味を調節しながらいただきます。