スペインの地中海沿岸の都市バルセロナ。
今なお未完成の、サグラダ・ファミリア教会を望んで、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。 パンとコーヒーの朝食にしよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
何と言っても19世紀の建築家、アントニオ・ガウディが設計した、曲線的で華やかな建築物がそのまま残っている事で有名です。グエル公園、グエル邸、カサ・ミラ、カサ・ヴィセンス、カサ・バトリョ、そして彼の死後も遺志を継いで建築中のサグラダ・ファミリアの一部が「ガウディの作品群」としてユネスコの世界遺産に認定されました。そのサグラダ・ファミリアの一部「生誕のファサード」は、日本人で主任彫刻家の外尾悦郎氏が仕上げたものとして有名です。現在、修復と建築が同時に行われていますが、公式サイトでは、finished some time in the first third of the 21st century…つまり「21世紀の最初の1/3の、いずれかに完成する」と書かれています。
直訳すると「パンのトマト添え」という食べ物ですが、お店や、家庭によって作り方は違うものの、材料は同じ。バゲット、トマト、にんにく、そしてオリーブオイルです。基本的なものはトーストした薄切りのバゲットに、生のにんにくをすり込みます。その上にトマトを押しつぶし、オリーブオイルをかけて、塩をふりかけて出来上がり。この時のトマトがスライスだったり、賽の目切りだったりはたまたトマトソースになっていたり。バリエーションは豊富ですが、とてもシンプルな食べ物です。
夜が遅いバルセロナの人々。「パン・コン・トマテ」は、そんな人々の、まだ目覚めていない胃袋にカツを入れるメニューです。にんにくとオリーブオイルが食欲を刺激して、あとを引くおいしさ。シンプルだからこそ、素材のよさが重要になってきます。太陽をいっぱい浴びて熟したフレッシュなトマト、そしておいしいパン。ミルクたっぷりのコーヒー、カフェ・コン・レチェとともにいただきましょう。
「ハモン・セラーノ」を上に乗せると、ディナーでの立派な前菜になります。