ノルウェーの首都オスロ。 中央駅から王宮まで続くカール・ヨハンス・ガーテ通りの真ん中で、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。 昔からあるカフェで朝食にしよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
UNDP(国連開発計画)は先日、2010年版国民生活の豊かさを示す人間開発指数の169カ国中1位をノルウェーと発表しました(日本は11位でした)。
毎年12月10日にノーベル平和賞授賞式が行われ、世界平和に向けて戦争や紛争解決への関心を高めることを目的とした、ノーベル平和センターもオスロの中心街にあります。 長くデンマークの支配下にあったものの、1905年に独立。 今にいたるまでオスロは近代都市としての発展が続いています。 氷河によって侵食されたフィヨルドと呼ばれる地形だけに、三方を山に囲まれた街並みは、緑豊かな自然とマッチして美しい景観をつくり出しています。
ノルウェーの芸術家といえば、『叫び』でおなじみのムンク。
そして近代劇作家の父として有名なイプセン。
その二人が真っ先に思い浮かびます。 この二人が足しげく通ったといわれるのが、グランド・ホテルの1階にあるグランド・カフェ。目抜き通りのカール・ヨハンス・ガーテ通りにあります。カフェは朝6時30分からオープン。当時をしのばせる重厚な建物と内装は、まさに街のランドマークです。壁にはムンクが描いた常連客の絵があり、そこにはイプセンも描かれています。
中でもノルウェーならではのチーズが、キャラメル色をしたブラウンチーズと呼ばれる「ヤイトオスト」。
地元の人々は買いだめておいた大きな塊から、食べる分だけを薄く切って、甘いジャムと一緒にパンに乗せてたべるのだとか。
見た目からはあまり想像できない、クセのないミルク味に、少し甘みがあるチーズ。ブラック・コーヒーとともにいただきます。
外国人にとってポピュラーなノルウェーの食材と言えば「スモーク・サーモン」ですが、朝食にかぎって言えば、それほど定番とはいえないようです。
やはり肉厚で脂がのっていて食べごたえ十分なサーモンは「しっかりとディナーでいただく」ということでしょうか。