2010/12/10 世界のイクメン事情

今年もあと3週間あまり。 今年の流行語大賞も発表されてました。

その中でもトップテンに入った言葉のひとつに「イクメン」があります。
政府は2017年までに「育休の男性取得率10%」を目標に掲げていますが、そもそもこうした男性の育児事情は、世界ではどうなのでしょうか。
今朝も2カ国をコネクト。

 

まずは男性の育児事情はどうなのでしょうか?

スウェーデン、ストックホルム。 矢作智恵子さん
「世界でも有数の福祉先進国だけに権利が保障されています」

アメリカ、NY。 中村英雄さん
「男女の区別なく、育児は経済効率で考えられています」

 

制度面ではどうなっているのでしょうか?

スウェーデン、ストックホルム。 矢作智恵子さん

育児休暇は480日間取れます。 その中で給料の80%が社会保険庁から支払われる期間は、390日間で、これを母親と父親が家庭のプランにあわせて育児休暇を分割します。 母親が育児休暇を取った方が、家庭の全体的な家庭の収入損失分も少ないということで、母親が2/3、父親が1/3ぐらいの割合で育児休暇をとる場合が多いようです。

母乳で育てることの多いスウェーデンでは、授乳の期間は母親が休暇をとり、その後父親が育児休暇をとる場合が殆どかと思います。

男性の育児についての情報交換はどうしているのでしょう?

この夏、オープン保育所(保育園の入園前に行ける、両親と子供の遊び場)で、毎週一回行われている『パパサークル』というのを取材しました。
パパ休暇をとっているお父さんたちのみが一定の時間に集まって、子供達と一緒にお遊戯をしたり、保育士方、他のお父さん方と交流する場になっているようでした。

 

NYのイクメンは経済効率優先なんですか?

アメリカ、NY。 中村英雄さん

アメリカはまるで「即換金できない労働は価値がない」といわんばかり。

NYのイクメンは、一般にStay-At-Home-Dad(略してSAHD=サード)と呼ばれていて、90年代初頭から台頭。 いまでは完全に定着しています。
多くの場合、妻の方が出世しそうだと判断すると、彼女の経済効果を最大限に上げるために、夫の方は育児休暇ではなく、完全に会社を辞め、家事育児の担当に回るようです。
しかも、SAHDを応援するような切羽詰まった空気はありません。

男性であろうと女性であろうと育児自体への意識が低いという事ですか?

オトコがしようとオンナがしようと家事育児は、職場勤務より下に見られているので、SAHDに身をやつす人間は哀れられこそすれ尊敬されません。
学校や公共の場のお掃除が低く見られているのと、どこか似ています。
家事育児は「つまらないboring」。 これがアメリカです。