沖縄の那覇空港からモノレールでおよそ15分の美栄橋駅。
高架の駅から港を臨んで、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。 のど越しがいい麺類にしよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
太平洋戦争以降、ずっと鉄道がなかった沖縄県。「ゆいレール」の愛称で親しまれている「沖縄都市モノレール」が2003年に開業して以来、那覇は都市化が進んで大きく変わりました。それでも変わらないものは、ライフスタイルです。東京よりも20分以上日の出が遅く、日の入りの時間が1時間以上遅いため、夜ふかしで朝はスロースタート。モノレールの始発も朝6時と、それにあわせて遅めなのです。
久茂地川の上にある高架駅の美栄橋駅。離島への船が出る泊港に近く、反対側は国際通りをはじめとしたショッピングの中心地です。 しかしなんといってもランドマークは牧志公設市場。
この時期はお正月の買い出しで、特に賑わう市場「マチグワー」は、沖縄産の食材であふれ、観光スポットとしても大人気です。1階には鮮やかな色の熱帯の魚や、沖縄料理に欠かせない豚肉を大胆にカットして売る店などが軒を連ね、お母さんという意味である「アンマー」たちの元気な売り声でテンションが上がります。2階は食堂街ですが、1階で買った魚を調理して食べさせてくれるお店もあります。
「そば」といえば東京では「日本そば」ですが、沖縄の人々にとってのソバは、「すば」と呼ばれる蕎麦粉を全く使わない、小麦粉100%のもの。つまり「うどん」と原材料は同じ麺なのですが、塩水をつなぎとして使う「うどん」とは異なり、ガジュマルなどの木の灰を水に溶かして上澄みの水分の灰汁を使うのが昔ながらの作り方です。
とんこつとカツオでダシを取る澄まし汁で食べる「すば」。
豚の三枚肉とかまぼこ、そしてネギとショウガというシンプルな具だけで、つるりといただきましょう。
最近はラーメンの麺などでつなぎとして使われている「カンスイ」という食品添加物を使うお店がほとんどだとか。
「ラーメン」とも「うどん」とも違う色や食感は、麺の打ち方にも秘訣があります。「沖縄そば」がメニューあるさまざまな店をめぐるのも楽しいかも知れません。