2011/2/4 チョコレボ実行委員会のHidden Story

今週は、「チョコを選べば、世界が変わる」を合い言葉に活動中、チョコレボ実行委員会のHidden Story。
チョコレートのレボリューション、チョコレボ。
「革命」を呼びかけているのは、星野智子さんです。

» Choco-Revo!! - チョコを選べば、世界が変わる。Chocolate-Revolution!! -

ちょうど2000年、2001年ごろに私が主人の仕事の関係でイギリスにおりまして、そのときにたまたま見た報道番組がきっかけになっています。

あの、カカオの一大生産地が西アフリカ。コートジボワールですとか、ガーナ、カメルーンのあたりなんですが、そこでカカオの生産現場で実は子どもたちが児童労働や人身売買にあっているというカカオの知られざるBitterな現実をドキュメンタリーで見まして、それまでただのチョコレート好きだったんですけど、考えさせられたのがきっかけです。

カカオの生産にまつわる知られざる現実を イギリスで知った星野さん。
帰国後、活動を開始します。

はじめはですね、日本でそのとき手に入れることができるフェアトレードとかオーガニック、私たちは人と地球にやさしいチョコレートと呼んでいるんですが、この辺をいろいろと集めてみて、みなさんにご紹介しましょう、ということで……ウェブサイトであるとかイベントを通じて、クチコミで「これいいよね」ということで始めたのが最初のアクションです。
選んでみよう、というのをみなさんに発信したり声をかけるというのを最初はやっていたんですね。だけどやっぱり、チョコを選べば世界はどう変わるのかというのを実証していく、というのが自分たちのテーマでありますし、そのためには現場サイドを知っていかなければいけないということで、2007年に日本がチョコレートの原料のカカオを一番輸入している国、ガーナに行きました。

2007年に訪れた、カカオの生産地、ガーナ。
そこで目にしたものは……

話では児童労働の問題とか過酷な問題が蔓延しているという風に思ってましたのでそういうことを目にするのかなと思っていたんですが、一方で森を守って環境に配慮している生産者もいることが分かって。逆にそちらのほうにより関心が高まったと言いますか、、すでに現場で解決して動いている人達がいるということで、それをこちら側としても知って、もっと応援してあげることができればいいんではないかなということで。そのカカオを輸入して製品化しようという風に変わってきました。

甘い恋心をのせて贈られるチョコ。
その裏にあるビターな現実を変えるべく、チョコレボの活動は加速していきます。

チョコを選べば、世界は変わる。
チョコレボ実行委員会の星野智子さんにうかがったストーリー……

カカオの栽培にまつわる問題、星野さんが指摘するのは、その栽培方法です。

一般的にカカオの栽培というのは、簡単に言えば焼き畑農業のような、移動式の農法が多く使われてきたそうなんですね。本来カカオは森のなかで、日陰の部分に育つ植物なんですけど、近代農法のなかでいわゆるプランテーションというその1種類をだーっと植えて効率的に収穫していこうという農法が行われてきました。その弊害として、それまで自然に保たれていた森林を壊していくということにつながっています。

ご存じのように、そうしたプランテーションが森林の生物多様性を失わせる理由になっていたり、ひとつのそういう森林の生物多様性が失われることで加速度的にどんどん森林が失われて行くという状況があるみたいなんですね。これを今からの新しい農法としてアグロフォレストリーという森林農法というものを使って、森の土壌を回復させながら生産していこうという動きが各地で始まっていますよね。

森の土を回復させながらカカオを生産する「アグロフォレストリー」。希望の光は、そこにありました。

まさに、一挙両得というか、カカオを栽培することによって、森を保つことができてしかも、その収穫によって生産者の方たちが貧困から徐々に立ち直っていくことができる。環境問題と貧困問題とどちらも解決できる。これが成功すれば本当に素晴らしいことじゃないかなと思います。

カカオにしても同じ森だと思いがちなんですけど、いろんな側面で考えると、生物多様性の問題にしても温暖化の問題にしても、ひとつだけでは解決できない、すごく深い問題にぶちあたるんですけど。チョコレートって掘り下げれば掘り下げるほど深くて、でも、すごく身近なんですよね。

先週、チョコレボの星野智子さんは伊勢丹新宿店にいました。
チョコレートの祭典「サロン・ド・ショコラ」に出展。
活動を大きく広げるチャンスが来たのです。

比較的、多くの方たちがフェアトレードについてご存じで、この「ガーナの森を作るチョコ」の背景についてもご質問があってひとりひとりのお客さんとじっくりお話させていただいて、その背景も知っていただいて買っていただくというそのやりとりを楽しみながら参加させていただいています。
初めてこのチョコレートに出会ったみなさんが、実際に食べてくださって、気に入っていただいて、またそれを他の方達にプレゼントとして広めていただいて、そういう美味しくってハッピーな輪がここから広がっていくような、期待できる感じがします。

チョコレボ実行委員会が手がける「ガーナの森を作るチョコ」。
収益の一部は、ガーナで、「カカオの苗木や森林農法=アグロフォレストリー」のための木を植える活動に役立てられます。

チョコを買うと、それが ガーナの森やカカオの苗木のために使われる「ガーナの森を作るチョコ」は、高島屋の東京店、新宿店、横浜店などで開催の「アムール・デュ・ショコラ」というイベントで販売されます。ぜひチェックしてみてください(2011年2月4日現在)。