アフリカ大陸の西に浮かぶカナリア諸島のひとつテネリフェ島、最高峰のテイデ山を臨んで、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。 シリアルの朝ごはんにしよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
カナリア諸島はアフリカ北部モロッコの西に位置する、7つの火山島から成り立っています。スペイン本土からは2時間半あまりのフライトです。それぞれの島の天候は個性があり「大西洋のハワイ」というと言われるぐらいです。ローマ時代から住みついていた原住民もいるほど歴史は古いのですが、中世の大航海時代にスペインによって征服され、その文化が色濃く残っています。ヨーロッパ大陸とアメリカ大陸の中継基地として栄え、今では温暖なリゾート地として長期滞在の人々も多く、また豪華客船も立ち寄るという人気の場所です。
イカやタコなど遠洋漁業の拠点で、日本領事館もある、グラン・カナリア島は、乾燥した気候で砂漠もあって、200km以上も続く海岸線には、広いビーチがたくさん。ウインドサーフィンのメッカでもあります。またカナリア諸島最大のテネリフェ島は、島の半分が自然保護区。東京都とほぼ同じ大きさですが、標高3,700mあまりのテイデ山と周辺の国立公園には、固有の植物が育つ緑豊かな島です。とはいえのどかなリゾートだけではなく、大学もある旧市街に、15世紀の貴族の館や教会、近代的なカジノや商業施設などにぎわいもあわせ持つユニークな島です。
ローストした穀物類を石臼で挽いた自然食品の「Gofio」。小麦ととうもろこしが主な原料で、そこに大麦など他の穀物が混ぜられることもあり、ヘルシーで栄養価が高い食べ物です。スーパーには、いくつかの製粉所で作られた独自のレシピの「Gofio」が並びます。ミルクに入れてかき混ぜるのが朝ごはん。またバナナをすりつぶして「Gofio」をふりかけ、さらにジュースを注いでいただくのも南の島らしい食べ方です。
朝ごはん以外には肉などのスープと共に食べる場合も多いようです。その時にはスープに浸したこの「Gofio」をモロッコのクスクスのように手で丸めて食します。カナリア諸島はモロッコと同じ先住民のベルベル人の食文化が残っているからなのでしょうか。