2011/4/29 世界の「自動販売機」事情

節電に関する石原都知事の発言で矢面に立たされたのが自動販売機です。
最近では省エネ型のものもあるとはいえ、世界中でこれほど沢山の自動販売機が街角にあるのは日本くらいかも知れません。
さて今日も2カ国をコネクトしてお送りします。

街角に自動販売機は見かけますか?

アメリカ、NY。中村英雄さん
「近代の自動販売機発祥の地なのにあまり発達していません」

中国、上海。岸満帆さん
「いまでも街中ではほとんど自動販売機は見かけません」

「あまり」という事は、あることはあるのですね?

アメリカ、NY。中村英雄さん

自動販売機と言うと学校やジムなどクローズな空間にあるのが普通。
ジュース、ミネラル水のもの、あとはチョコバーやチップスくらい。
とにかく大ぶりで、商品の選択システムもわかりにくく、無骨な感じです。
NYの地下鉄のチケット販売機はこの10年で完全に定着したもののひとつですが、デザインしたのは日本人です。

普及しないのはどうしてでしょうか?

ズバリ、犯罪の対象になるからです。

NYの場合、街角に設置すれば即、販売機ごとトラックで盗難されます。
機械のメンテナンス環境も未整備なのではないでしょうか?
また、お酒やタバコの販売規制が厳しいのは、自販機普及にとってマイナス要因なのかもしれません。

アメリカで生活していると自販機が恋しくなることなどありません。
どんな小さな買い物でも店員とコミュニケーションをする商取引の方が、いまの僕にはしっくりきますね。

ジュースなどの自販機はありませんか?

中国、上海。岸満帆さん

中国の人はもともと冷たい飲み物を一切飲まないですし、飲み物などは、昔の日本の街角のタバコ屋さんのような間口の狭い個人の店で売っていることが多いです。

一つ一つの街のブロック単位でコミュニティを形成しているので、そのブロックの周囲に張り付いている小さなお店も、みんな、そのコミュニティの人たちのためだけのお店。
相互に依存し合っていたのではないかと考えられるし、相対的に人件費も安かったので、自販機に置き換える意味が無かったのではないかと思います。

新しい町並みでは、タバコ屋風の小さい店はなくなりましたが、それでもスーパーかコンビニで購入します。

90年代初めに日本に留学したという知り合いの方から日本で切符買うとき、人から買うんじゃなくて機械で買うんだと知ってびっくりしたという話を聞いたことがあります。