九州の佐賀県、嬉野市。ようやく緑鮮やかになった
春の山々をのぞんで、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。温泉の朝ごはんにしよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
今日は、佐賀県の嬉野市です
佐賀県の西部に位置する人口3万人弱の小さな街。
古くからの温泉街として有名です。
なだらかな山間で霧が深く、昼と夜の気温差が適度にあって、日照量などの条件が、お茶の栽培に適した地域です。そこで生産される「嬉野茶」は全国的にも有名です。人気の秘密は、注ぐたびに味や香りの移り変わりを楽しめるところ。独特の丸みを帯びたお茶の葉っぱは、急須の中でゆっくりと茶葉が開き、徐々に旨みが出ていくのです。
今がちょうど新茶のシーズンです
その嬉野茶、今年最初の入札販売会が今週の火曜日に開かれ、新茶シーズンの到来を告げています。生産者の団体によれば今年は冬場の冷え込みにより茶樹の休眠期間が十分に取れたので、期待通りに美味しさの充電ができ、品質はここ数年で一番とか。
八十八夜(現在の暦で5月2日頃のこと)を過ぎた連休明けには茶摘みの最盛期を迎えます。
そして温泉街の朝ごはんのメインは湯豆腐
もちろん温泉旅館の朝ごはんは豪華ですが、嬉野温泉では欠くことが出来ない名物料理が出てきます。それが湯豆腐。
普通の湯豆腐は煮込むにつれ硬くなっていきます。
しかし嬉野温泉で食べる湯豆腐は、時間の経過と共に、だんだんまろやかになり、柔らかくとけてゆくのです。
これは豆腐を煮込む水に嬉野温泉の温泉水を使うのがポイント。
温泉特有の成分が豆腐のタンパク質を分解し、まるで豆乳のような旨味のある白濁したスープに変わっていきます。
お茶と同じく、ゆっくりといただきましょう。
江戸時代の文献にも登場するという嬉野の温泉湯豆腐ですが、温泉旅館以外にも、専門店が軒を連ねます。
そして市内のスーパーでは湯豆腐用の温泉水を売っているので、地元では家庭で「嬉野温泉の湯豆腐」を作って食べるようです。