2011/5/13 Rescue 311

【設立の背景】
震災直後からNet上に溢れる情報から垣間見える尋常ならざる被害に、何かしたいという気持ちを強くし、Twitterを介して医療相談を試み始めた人々の中に、後にRescue 311の発起人となる数人と出会があった。
徐々に活動を共にするようになったが、相談数の少なさに強い焦りを感じ、被災者がより相談しやすい仕組みを模索する中で、群馬県立小児医療センター神経内科部長 椎原 隆が発起人代表となり、計10名の医療者が発起人として「ボランティア医療従事者によるメール医療相談」を立ち上げた。2011年4月4日のWeb公開後、半月足らずで、海外在住者を含む100名以上の協力者が集まった。

【Rescue 311 の目指すところ】
1.現地医療機関、医療支援チームの代わりになることは目指さず、現地医療機関への負荷集中をいくらか軽減、相互補完することで、現地の医療者が、真に対応すべき相手に集中しやすくする。
2.被災者が健康不安を感じた際に、気軽に相談できる場を提供することで安心感を得やすくする。
3.周囲の重傷者や慢性疾患を持つ方を気遣い受診を躊躇する人、受診したいが交通手段が無いなどの理由で、受診に至らない在宅避難者の相談にメールを介して応じ、的確なアドバイスを行う、または、状況により受診を促すことで、遠隔地からの支援を行う。
4.被災地の力になりたいと思っていても、それぞれの置かれた仕事・家庭等の状況により実際に被災地支援に行けない医療従事者が、Rescue 311の仕組みを利用することで、日常の診療の合間や診療終了後に、遠く離れた被災者の方々の為に働くことが可能になり、遠隔地にいる医療従事者の「今自分たちにできること」を形にする。


【Rescue 311 の医療相談の特徴】
被災者のみなさんが、かならずしもTwitterやFacebook、mixiなどを使用できる環境やスキルを持ち合わせていないことを勘案し、
1.携帯電話でも簡単にアクセスでき、気軽に医療相談をすることが可能なシステムを構築。
2.多くの診療科、医師、医師以外の様々な専門家が協力し、多角的に相談に応じることが可能。

【登録している医療従事者について】
登録医師の主な診療科:内科、外科、精神科、脳外科、耳鼻科、産婦人科、小児科、リハビリ科、眼科、整形外科、形成外科、皮膚科、麻酔科、歯科・口腔外科。医師以外の医療従事者:看護師、保健師、管理栄養士、助産師、薬剤師、理学療法士等
(2011/05/9現在)約100名が当番制で相談に対応している。

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