今週は、ドイツで開催されるFIFA女子ワールドカップに臨む、サッカーの日本女子代表、なでしこジャパンのキャプテン!
澤穂希選手の情熱物語。
FIFAランキングは堂々の4位。
ドイツで開幕するFIFA女子ワールドカップでは、頂点を目指すなでしこジャパン。
チームをまとめるキャプテンは、澤穂希選手。 日本の女子サッカーを引っ張ってきた、その人です。
サッカーを始めたのは6歳。そして……
12歳のときに、当時の読売ベレーザ、今は日テレベレーザというチームになっていますが、そこに入ったときに、回りの先輩が代表選手だったので、毎日そういう選手と練習してすごく刺激を受けましたし、この選手達ともっともっと一緒にやりたいと思いましたし、うまくなりたいと思って、やっぱり目標になる選手が近くにいたっていうのが、はい。
初めて日本代表に選ばれたのは、15歳。
そして、記憶に残る代表デビューは……
マレーシアで行われたアジアカップだったんですけど、自分のデビュー戦がフィリピン戦だったんですけど、あの、最初はもちろん代表で試合にも全然出られなくて、でもすごく出たくて、で、たまたま相手が格下ということもあって監督がチャンスをくれたんですけど、その前の日の練習とか、普段はウォーミングアップとかでも一番後ろに並ぶんですよ、先輩について行って。 でも、もう試合に出たくて……先輩とかも「アピールしてこいしてこい」って。今までは一番後ろなのに、先頭を走ってみたり、監督にアピールして(笑)
で、試合に出させてもらって、デビュー戦で4点ですかね、そこからですかね。
初めての世界大会は1995年、スウェーデンで開催された第2回の女子ワールドカップ。
「世界」という名の壁が澤選手を待ち構えていました。
なんかもう、とにかく世界との壁を感じた大会でしたね。
ドイツとかブラジルと対戦したんですけど、世界との差を感じて、今まで体当たっても日本人のリーグとかだと負けない感じなのに、ボンてやられたら飛んじゃったりとか。
そのあと17歳のときにアトランタ・オリンピックで、女子の正式種目したのが1996年アトランタなので、初めてのオリンピック……もう全然ですよ、何もできなかったっていう感じですね。
ただただ、悔しさを感じる大会でしたね。 なんで自分がこんなに下手なんだと思いましたね。
10代の胸に刻まれた「悔しさ」は、「情熱」に形を変えます。
20歳でアメリカへ。澤穂希選手の新たな挑戦が始まりました。
海外でのプレーを希望して、20歳でアメリカへ。
セミプロのチームを経て、アメリカの女子サッカーリーグ、アトランタ・ビートへ入団。
すごい楽しかったです。
その当時の世界のスーパープレーヤーたちが戦うリーグでしたし、そのなかでもカナダ人の選手、ドイツ人の選手、アメリカ代表の選手だったりとか、そういう選手たちと毎日練習して、トレーニングして、吸収できて、すごく楽しかったですね。
当時自分がまだ22、23、24の頃だったので得るものもたくさんあったし、足りないものも痛感したんですけど、本当に日々勉強でしたね。
2004年、アメリカの女子サッカーリーグが休止したため、帰国。
そして向かったのは、なでしこジャパンはアテネ・オリンピックのアジア予選。このとき、なでしこは、危機に瀕していました。
そのときは、アジア予選があって、2枠しかなくて、しかも相手が北朝鮮という、「それまで勝ったことがない相手に勝って、出場権を決めなくちゃいけない」という厳しい条件の中だったんですけど……で、2000年のシドニーのオリンピックに行けなくて、女子のリーグのチームが撤退したりとか、女子サッカーの厳しい時代だったので、「今回アテネに行けなかったらもうない、先がない、このアテネのオリンピックに出る!」という想いはすごく強くて。
それまで勝ったことがなかった北朝鮮を破り、なでしこはアテネへ。
オリンピックでベスト8という成果を残しました。
そして、記憶に新しいのは、2008年北京オリンピックでの4位。
すごく感じたのは、2008年の北京オリンピックのベスト4という結果が本当によかったというか、自分が一番こういう風に、苦しい時もいい時も日本女子サッカーの歴史を見て来て、やはり結果を残さないとだめというか誰にも注目されないし、結果を残すことでたくさんの方に注目してもらえるというのもあるので、本当に結果が全てだなと思いました。
サッカーの日本女子代表、なでしこジャパンの澤穂希選手。
15歳で代表デビューしてからこれまでを振り返っていま思うこととは?
「やっとここまで来たな」というのはありますね。
昔はアメリカ代表とかドイツ代表とかに8−0とか、すごい大差で負けていたのが、今は1点2点の勝負ですし、相手のコートでもプレーできますし、本当に徐々にですけどステップアップしてますし、FIFAランクも4位ですし、世界大会のメダルまであと一歩なんですよね。
そこのあと一歩の世界との差はまだ感じるんですけど、そこをもっともっと、縮められたらいいなと思いますね。
やっぱり日頃とか年数とかも積み重ねての結果なので、本当にあと一歩というところなので。昔では考えられなかったですよね、本当に。正直言えば長かったですよね。
去年アジア大会で初めてアジアの頂点に立ちましたし、自分が17年片思いしていたものが実ったというか、アジアの頂点も気持ちいいですし、今は世界の頂点に立てればいいなと夢、目標を思って、毎日トレーニングしてますけど。
あふれる情熱を胸に積み重ねた経験は、なでしこを頂点まであと一歩のところまで導きました。
ドイツを舞台に開幕するFIFA女子ワールドカップ。
キャプテンマークをつけた背番号10、澤穂希選手はチームとともに世界に挑みます。