東アフリカのケニア。サバンナの真ん中に立ち、遠くキリマンジャロ山頂の雪を臨んで、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。ここで朝ごはんにしよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
ナイロビの南およそ240km。タンザニアとの国境に近い場所。
マサイ族の言葉で「水のあるところ」という意味なのです。今はキリマンジャロからの地下水が豊富な湿地帯がひろがり、さまざまなアフリカの野生動物が集まる国立公園になっています。それもそのはず、遠い昔にキリマンジャロが噴火した時に、もともと湖だったこの一帯が干上がり、サバンナになりました。象、シマウマ、水牛、ダチョウ、キリン、そしてライオン。中でもアフリカゾウの生息地として、研究者を魅了します。そんな動物たちを間近で見ることができるサファリ目当てに世界中から観光客がやってきます。
周辺の宿泊施設はさまざまなスタイルがあります。
ロッジ、テント、地元の住居であるカマボコ型の石造りなどでさまざまなニーズに応えられるようになっています。ヘミングウェイが書いた小説「キリマンジャロの雪」はここで執筆され、映画もまたここで撮影されました。大自然に抱かれて、一夜を過ごすと、朝ごはんの時間がやってきます。
イギリス連邦の加盟国でもあるため、朝食は基本的にイングリッシュ・ブレックファストです。しかしテントでの食事では、アウトドアで調理されたものを、そのままいただく、というものが一般的。つまり火を起こして、フライパンで卵や肉類を調理するのですが問題はトースト。これはたき火でそのままあぶり焼きにします。その名も「ブッシュ・トースト」。普段食べるものとは一味違う、焦げ目とモチモチ感をどうぞ。
アウトドアの定番メニューともいえる「ブッシュ・トースト」。
特にイギリス文化の影響が強い国々では、時々みられるようです。