2011/9/30 岩手県 盛岡市

岩手県盛岡市の中心街を流れる北上川のほとり。
ゆったりと流れる川面を望んで、彼女は大きく背伸び。

そして心に決めました。スープの朝ごはんにしよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。

今日は岩手県、盛岡市です

北海道に次ぐ1万5千平方キロあまりの面積を持つ岩手県。その真ん中当たりに位置するのが、県庁所在地の盛岡市です。昔あった盛岡城を中心に街が広がっていき、中津川、北上川、そして雫石川という、3つの川が盛岡駅周辺で交わります。年間を通じて気温が低く、夏は過ごしやすいものの、冬になるとその冷え込みは厳しさを増します。しかし寒い朝でも、市民の台所として熱い場所があります。それが「神子田朝市」。原則的に月曜日以外はほぼ毎日日の出の時間くらいから開いているという朝市なのです。

市民に支えられた生産農家

もともと盛岡市の青果市場の外にあった生産農家の直売所が、移転により立ち退きを迫られたのが「朝市」誕生のきっかけです。新たに直売所を作ろうと、生産農家のみなさんが組合を作り、リヤカーをひいて、集団で売りにくるようになりました。作り手の顔が見える直売所として市民の人気が高まり、駐車場も完備した現在の場所で、大々的に朝市が行われるようになりました。

朝市に出る屋台での郷土料理は……

小麦粉を練って固めたものを団子にし、それを一口サイズに平たくしたのがひっつみです。岩手の方言で「ひっつまんで」汁に投げ入れ作られるという工程が、そのまま料理の名前になっています。焼いて干した川魚、あるいは鶏肉でだしをとった汁に、ささがきにした人参や、きのこなどの季節の野菜を入れて煮立て、最後に「ひっつみ」を入れて出来上がり。屋台のアツアツを召し上がれ。

早朝でも身体の芯から暖まるメニューですね。
収穫の秋を迎えて、朝市は今朝も賑わっているのでしょうか。