2011/9/30 Table For Two InternationalのHidden Story

今週は、アフリカへ食の支援を続けるNPO法人、TABLE FOR TWO InternationalのHidden Story。

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「TABLE FOR TWO」。それはどんなアクションなのか?
代表の小暮真久さんに伺いました。

直訳すると「ふたりのための食卓」ということで、「食糧が足りない国の人と、食糧が満ちあふれていて、食べ過ぎてしまっている人が食糧を分けあう」というのがコンセプトなんですね。

それをどうやってやるかというと、会社の社食とかレストランで「TABLE FOR TWO」のマークがついているメニューを食べていただく。 それは普段僕たちが食べてしまう食事より少し量が減らしてあって、食べ過ぎにならないし取り過ぎにならない。 それを食べていただくと、食事代金に20円の寄付がついていて、その20円で、今度は食糧の足りないアフリカの子どもたちが学校で食べる給食1食分になります。

このアイディア、小暮さんが最初に思いついたのは、2006年の秋でした。

先進国の肥満と途上国の飢餓を世の中では別々に考えていて、今までもその問題はずっと別々にあったんですけど、よく考えると、共通の課題が根底にあって、それは、食べ物を世界中の人たちが分かち合っていて、その中で不平等が生まれているということに「ハッ」と気づいたときに。「これって同時に解決しないと解決しないんだね」ということに気づいたときに、アイディアが生まれたという感じですね。

2007年に本格的に活動をスタート。
社員食堂でメニューを採用してもらうべく、さまざまな企業を回りました。
同時に、アフリカのどの国に給食を送るのか?検討が進められました。

アフリカの中で最貧国という国を挙げていくんですね。
一日家族で1ドル、100円未満で暮らしている人たちで、人間として最低限必要な食糧だったり水だったり、医療が得られていない人たちが多数を占める国っていうのを選ぶんですが、アフリカだけでも数10カ国あるんですね。 ただ、その中には内戦があったり、汚職で政情が安定しない国というのがあって、そういうところに資金を持って行くのはリスクが高いので、そういうところは除いてしぼっていって、あとは地域の人たちがどのくらい協力してくれるか?それこそ村長さん以下村人が協力してくれる地域を調べて、それで何とか3つの村からスタートしました。

ウガンダ、マラウイ、そしてルワンダ。
この3つの国から支援が始まりました。

「TABLE FOR TWO」が届けるのは、アフリカの子どもたちの学校給食です。

僕たちは今、(支援の方法を)全部、給食にしていて、それは子どもたちが、一日それこそ果物をかじる程度の食事しかとれないような子どもたちなんですね。
両親は畑をたがやすことで生計を立てていて、子どもたちは普通なら学校に行かず、親の仕事を手伝って、畑の果物を食べて空腹をしのぐ、という子どもたちなんですね。

そういうところで給食を出してあげると、子どもはごはんを食べたいので「学校に行きたい」と言うし、親も本当は手伝いをしてもらいたいんだけど、1食。 向こうでの1食というのは本当に大きいので「1食温かいごはんが食べられるなら、子どもを学校に行かせよう」ということで、初めて学校に行けるようになる。ようやく貧困から脱する初等教育を受けられる。
そういう大きな意味があるんで、僕らは給食にしぼって支援を続けているんです。

さらに、現在、深刻な干ばつに見舞われているアフリカ東部。
エチオピアでも支援が始まっています。

「水がない」というのが、これはもう、いかんともしがたくて。

そこの農家のおじちゃんたちは「雨が降らないのは自分たちのせいだ」と言うんですね。で、「自分たちの行動があまりよろしくないんで、神様が天罰を与えている」というんですけど。
これは明らかに地球温暖化も一因としてあるんだろうし、先進国のせいだといえば僕はそうかなとも思うし。 日本としてもそれは責任があるし。

でも、おじいちゃんたちはとにかく雨乞いをするんですね。
もちろんそれじゃ雨は降らないんで、それでどうしてるかというと、いま資金を集めて、地下に井戸を掘るんですね。カラッカラの土地ですけど、掘ると地下水が出るんで。 その水を畑にくみ上げて使うというのをやっているんですけど。

日本ではおよそ450の団体が参加。
企業、カフェ、レストラン、大学で20円の寄付がついたヘルシーメニューが提供されています。

先日、TABLE FOR TWO International代表の小暮真久さんのもとに、こんな嬉しい知らせが届きました。

すごく数が伸びているのが大学なんですね。

今の10代終わりくらいの学生さんは、僕が学生だったころと価値観がかわっていて、世界のために何かをする、社会貢献活動にものすごく熱心なんですね。
僕らからの働きかけではなく、学生自らが大学を説得してくれたり、大学からなかなか受け入れてもらえないときは、自分たちが学園祭でゲリラ的にTABLE FOR TWOをやって大学を説き伏せたり、こないだも静岡の高校で、学園祭でTABLE FOR TWOをやってくれて100食分の寄付を集めてくれたりとか、学生自らが立ち上がってやってくれてるという動きが出てきていて。

日本のわたしとアフリカのあなた。
いちばん身近な食事を通じて、遠くの誰かの幸せを願う。
ふたりのための食卓、「TABLE FOR TWO」。
小暮真久さんの活動は続きます。

写真は、1冊につき20円がアフリカへの寄付金になる、TABLE FOR TWO『あこがれ企業の社員食堂レシピ』