ブルガリアのほぼ中心の小さな街、カザンラック。
南北にある山脈を望んで、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。香り高い朝ごはんにしよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
東ヨーロッパのバルカン半島にあるブルガリアは、バルカン半島の東に位置し、四季がはっきりと分かれていて1年を通して穏やかな気候の国です。国土の3分の1が山地で、地下水や湧き水が豊富。国の中央を東西に走るバルカン山脈と、スレドナ・ゴラ山脈にはさまれたカザンラックあたりはバラの谷と呼ばれています。観賞用のバラとは違って、香水の原料として使うバラ。つまり「バラの香りのエッセンシャルオイル」のために栽培されているので、バラの谷という名前がつきました。小ぶりで淡いピンク色の花は見た目の華やかさはないものの、その香りは世界中で愛されています。
ダマスクローズと呼ばれる種類のバラは、香水の原料にもなりますが、同時に料理用としても使われています。毎朝起きてすぐに飲むコップ一杯の水に、スプーンひとさじの「ローズ・ジャム」を入れるというのを、美容と健康のために実践しているブルガリア人は多いようです。もちろんヨーグルトに入れてかき混ぜて食べたり、ハーブティーに注いで飲んでみたり。あなたもいかがでしょうか。
ダマスクローズが咲くのは5月から6月。しかしすぐに収穫をし、エッセンスを抽出してしまうので、咲き誇る風景はなかなか見られないようです。