タイの首都バンコク。
中心地のアソーク交差点に佇んで、行き交うバイクとクルマの渋滞の中、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。屋台の朝ごはんにしよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
10月にバンコク北部から始まった洪水は、今月になって一段落。
深刻な浸水被害が出た北部の工業団地も、排水作業がほぼ完了し、今週はじめから被害の実態調査がはじまっています。今回の洪水では、市内を流れるチャオプラヤ川から直接堤防を乗り越えてバンコク市内に水が流れ込んだ様子が報道されました。しかし一番大きな原因はチャオプラヤ川の上流であふれた水が、バンコクを囲むキングスダイクという大きな堤防の未完成部分から市街地にまで押し寄せたことでした。堤防が整備されていなかった場所は、水上生活者が住む地域で、立ち退きの補償問題が済んでいませんでした。そこに数十年に一度、という規模の洪水が押し寄せたことで被害が大きくなったようです。バンコク郊外は農業地帯で、洪水が農地を潤していたような場所。
治水対策の難しさを思い知らされることになりました。
バンコク市内は乾期に入り、心配されていた衛生面での懸念も徐々に解消されつつあるため、中心部には活気が戻っています。
朝から路上には出勤前の人々に向けて、カットしたパイナップルなどのフルーツ類や飲み物、そして軽食の屋台が出ています。
しかし、やはり代表的な屋台といえばラーメンでしょう。まずセンミー、センレック、センヤイ、バミーなどという素材や太さの異なる麺の種類を選びます。もやしと一緒に頼んだ麺を茹でて、透き通ったスープを鉢にそそぎ、豚肉やツミレ、ネギなどの具と一緒に入れて出されます。そして「クルワンポン」と呼ばれる砂糖、唐辛子、唐辛子入りの酢、ナンプラーの4種類の調味料で、自分なりに味を整えます。お好みの辛さで、ツルリと召し上がれ。
今朝はバンコクの「タイ・ラーメン」でした。
繁盛している店は麺や具材、スープのバリエーションも豊富。
わがままな注文を次々にさばいて、人々の空腹を満たします。