いよいよ、今年も残すところ、今日と明日の二日になりました。
年越しの準備は済みましたか。そして年越しそばは召し上がりますか。
そんな年越しの食事情、あの国ではどうでしょうか。
今日も2カ国をコネクト。
イタリア、ローマ。村本幸枝さん
「いろいろありますが、友達や恋人と過ごすのが定番です」
最もスタンダードなイベントとして「Cenone チェノーネ」があります。
「Cena チェーナ(夕食)」+「one オーネ(名詞のあとに付ける大きいという意味の言葉)」を組み合わせた言葉で「大晩餐」という意味。
イタリアのレストランでは大晦日に限り、シェフが腕をふるって特別コースメニューを用意します。
その量が「気持ち悪い……もう、これ以上食べられん」というほどのものです。
エミリア=ロマーニャ州のモデナの地方料理で「ザンポーネ」と「コテキーノ」が年越しには欠かせません。
「ザンポーネ」は豚足にひき肉をつめたもので、足の爪の形もそのまま皿に乗って出てきます。「コテキーノ」は腸詰めのようになったものです。
どちらも加工食品としてクリスマスが終わると売り出される、歳末の風物詩。もともと保存食として作って置きしておいたものを、この時期から食べるようになったそうです。
つけあわせにはマッシュポテトなどと共に、レンズ豆を煮たものがポピュラー。
このレンズ豆には、お金の意味があり、金運に恵まれるという験担ぎの意味がある。
中国、成都。水谷かおりさん
中国ではよく縁起の良い言葉とよく似た発音の食べ物を食べます。
「余る」と「魚」の漢字の発音が同じで、「来年も生活に余裕がありますように」という願いをこめて、魚を食べて残すのが習慣です。
私が住んでいる四川省は火鍋を食べ、年が明けて「タンユエン」という、暖かい汁に入った、ごまだんごを食べます。
タンユエンは一家団欒の意味の「タンタンユエンユエン」と漢字の発音が似ているので、験をかついで、「今年一年も皆が仲良く集まれますように」という意味で食べるそうです。
ひとことで中国といっても、とても広く、南北ではかなり違うようです。
南では「お金が儲かる」の意味の漢字と発音が似ているので、お餅を食べます。
北では餃子を食べるのですが、形が中国の昔のお金に似ているからだそうです。一家皆で餃子を包み、その中に一つだけコインを入れ、それを食べた人が来年一番ラッキー、当たり年となります。
そうやって来年の幸運を一家で占うそうです。