2012/1/13 greenz.jpのHidden Story

今週は、人気のウェブ・マガジン『greenz.jp』のHidden Story。
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カフェやギャラリーも併設!おじいちゃんも学生も、街ぐるみで子どもの可能性を引き出す「まちの保育園」
年間3,000トンの廃棄ゴボウをほっこり温まる「ごぼう茶」に変えた、青森県の若手起業家「Growth」』 気になる見出しが並ぶのは、ウェブ・マガジン『greenz.jp』。
始まりは、2006年。当初から関わる鈴木奈央さんは、そのスタートをこう振り返ります。

そのときはですね、運営会社が別の会社がありまして、僕もその雇われ社員として始めたんですね。その後いろいろありまして、スピンアウトすることになりまして、2007年の1月に3人でgreenzという組織を立ち上げたんですよ。そのときは全くお金もないし、人脈もない、メディアを運営する技術もなければ経験もない……No Plan(笑。

3人で独立はしたものの、最初は、自分たちのウェブサイトを更新する前に、分野の違う仕事でお金を稼がなければなりませんでした。

そのころは、その仕事で手一杯で全然更新できなくて、1ヶ月くらい放置したりとか、ウェブマガジンとは言えないものでしたね。

まあ、専任のスタッフを雇って、やりたいことに向かって投資しようと。失敗たらもう一回サラリーマンに戻ればいいじゃんと。もうとにかく「勝負に出なければ永遠にこのままだな」という感じだったんで、一人分の給料を稼ぐのは大変なんですけど、とにかく始めないと始まらないので、「とりあえず雇っちまえ」ということで雇いました。

2008年、greenz.jpはサイトをリニューアル。
徐々に、やりたいことができる環境が整い始めます。

「Good newsを届ける」ということは変わらなかったんですけど、ブログエンジンを使ってサイト管理がしやすくなったんですね。それから、ま、やっぱり、環境はもちろん僕らのなかで大事なテーマなんですけど、例えば、自殺の問題とか独居老人の問題とか、街がさびれていく問題とか、問題山積みじゃないですか。そういう問題山積みの日本で、いろんな問題を解決する「グッド・アイディア」が必要とされると思ったんですね。でもグッド・アイディア、いきなりは考えられないので、ボキャブラリーを増やす必要がある。だったら、世界中でちっちゃな社会問題から大きな社会問題まで、解決につながりそうなグッド・アイディアを集めて来て、1個1個粒ぞろいのニュースのようにアイディアを紹介したら面白いんじゃないかと、その後どんどん変わっていったんですよね。

2008年のサイトリニューアル以後、徐々にユーザーを増加させていったgreenz.jp。
発行人の鈴木奈央さんは、その理由をこう見ています。

一番増えていくのに寄与したんじゃないかと思ったのは2つあるんですけど、
1つは、ソーシャルメディアで徹底的にニュースを外に広めていこうと。
記事ひとつ出して終わりだったんですけど、やっぱり記事を出したあとの会話って大事なんですよね。それはネットを通しての会話もそうですし、
2つっていったもうひとつは、green drinksっていうイベントをやっているんですね。
green drinksは2004年にイギリスで始まった世界的なムーブメントで世界800都市で行われているgreenな飲み会なんですね、その東京版を2007年からやっていて、その会は1回あたり100人前後集まるんですね。そこで僕らも知らないところでネットワークが広がっていて……ですから、ネット上だけでやっていると顔が見えない会話になちゃうんですけど、リアルとネット上がどちらもあるのが面白いかなと思いますね。

昨年3月11日の震災後、読者は一ヶ月に40万人に跳ね上がりました。

目の前にあって「自分が、それを何とかしなきゃ」と思っていたことに対してアクションするきっかけなったと思うんですよね。

社会のことが、どこか遠い事で、お任せしていたんじゃなくて、今回、原発もそうだと思うんですよ。結局、「専門家といわれる人とか、なんか大きな会社がやっているから大丈夫だろう」とか、そういうなかでやってきたけれど、その結果がこれですよね。自分がどうしたいのか、どういう社会を作りたいのか。自分目線で考えたときに、自分にできることは何だろうとか。 自分のバックグラウンドとかキャリアを考えて、「自分が他の人と違ってできるのは何だろう」って、多くの人が考えたと思うんですよ。

greenz.jp発行人の鈴木奈央さんに、最後にこんな質問。
小さなグッド・アイディアの積み重ねで、社会は変わりますか?

新たなフロンティアが目の前に広がっているというか、「人間らしい、命に根ざした社会を作るチャンスが今きていると思ってみると、非常にワクワクするんじゃないか」と、僕は思っていて、サステナブルというか、みんなが人生を楽しめて、苦しい想いをして自殺してしまうような人が少ない、みんなに居場所があるとか、おじいさん、おばあさんも社会の役に立っていると思いながら年を重ねていける、そうなってくると社会全体が明るくなってくると思います。それを一緒にやっていこうと思うんですよね。

市民が社会問題に取り組んで行くというのを盛り上がっていけば、必然的にそれを応援する政治家も増えていくと思うんですよ。

» 「greenz.jp」が本になった!グリーンズ編著本『ソーシャルデザイン』発売中

今こそ、人間らしい、命に根ざした社会を作るチャンスである。
「世界中のグッド・アイディア」という種。
それを大きなグリーン=緑に育てるのは、他でもないあなたです。