茨城県の水戸市、日本三名園のひとつ偕楽園。
風情豊かな表門の前で、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました、暖かいごはんの朝食にしよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
1842年に当時の江戸幕府水戸藩主、徳川斉昭公が造園した偕楽園。およそ13ヘクタールの広大な公園で全国から大勢の観光客が訪れます。四季折々の風景がとても美しいのですが、何といっても3000本あまりの梅の花が咲いて、春の訪れを告げる2月から3月の早春あたりが一番のシーズン。今はちょうど梅のつぼみがほころびはじめた頃なんです。東日本大震災での被害はあったものの、今年も例年通り「梅まつり」が行われる予定で、着々と準備が進んでいます。
「納豆」の歴史は古く、起源についてはさまざまな説がありますが、「水戸の納豆」の知名度は群を抜いています。これは近代的な納豆の製造販売がはじまった明治時代。時を同じくして鉄道が開通し、偕楽園の梅を見にくる観光客も大幅に増えました。そして粒が細かくておいしい納豆を食べ、口コミで「水戸の納豆」の評判が広まった、というのがきっかけなのだとか。今でもJRの水戸駅のお土産店には、いろんなメーカーの納豆がたくさん売られています。
納豆は和食の朝食には欠かせない小鉢の一品といえますが、好き嫌いが分かれる個性的な食べ物であることも事実です。
スーパーなどで手に入る一般的なものは、一人分が小分けでパックされていて食べやすいものです。しかし現在は、昔ながらの製法で生産された発酵による独特の匂いがし、ワラに包まれて売られている本格的な商品も見直されています。辛子やネギを入れ、そしてダシ醤油をたらし、お箸でぐるぐるとかき回して、さあどうぞ……
青じそを細かく刻んだり、大根おろしや、しらす干しと一緒に混ぜたり、バリエーションは豊富ですね。