2012/3/9 世界の「地震からの復旧、復興」事情

東日本大震災の発生からおよそ1年。
あれは金曜日の午後、この番組からバトンタッチした午後2時46分でした。
去年の311以前に大きな地震があった、あの国の今はどうなのでしょうか?
今日も2カ国をコネクト。

地震からの復旧、復興はすすんでいますか?

ニュージーランド、クライストチャーチ。晝間尚子さん
「大きな余震もその後にあって、あれから1年の今はまだまだです」

現状はどうなのでしょうか?

危険な建物の取り壊しが終わっていないために、まだ中心部が広く封鎖されています。
制限区域内では建物が取り壊されて、空き地も増えてきていますが、まだペーパーワークが進まず、高層ビルも含めだ取り壊しの始まらず、地震後の状態のままになってしまっている建物も多い。
また、大きな余震の影響で作業がさらに遅れています。

節目となる2月22日は式典があったのでしょうか?

参加できなかった人も地震のあった時間に2分間の黙祷をしました。

改めて1年前を振り返るのは辛くて、会う人みんな沈んだ顔をしていましたが、心温まる出来事もありました。
ある方が、「2月22日に道路や工事現場などで道を規制するためにおいてあるコーンに花をさして飾ろう」とフェイスブックで呼びかけたところ、数日で4,000人以上にこのアイデアが広がって、地震から1年の日にはどのストリートを歩いても道路のコーンに、お花が挿してあったんです。ニュージーランドの各地で、また海外(オーストラリア、イギリス、シンガポール、メキシコなど)にも広まったそうです。

地震からの復旧、復興はすすんでいますか?

中国、成都。水谷健さん

地震直後の現地での復旧体制はどうだったのですか?

地震後24時間以内には一番被害の大きかった地区に温家宝首相が、すぐにヘリで現地入りされたことに感動しました。

ある意味、一党独裁政治の良いところだとも思うのですが、各省に救援物資支援の大号令がかかり、災害地エリア毎に各省に復興の責任が割り当てられたため、たちまち全国から救援物資、復興の為の資材の手配が行なわれていて、現地で見ていても非常にスピード感がありました。

現状ではかなり復興が進んでいるということですが?

現在は、今までよりも美しく甦った街も多く、災害地の周辺の不動産価値も上がって来ており、被災された方々の最低限の生活確保はできています。

とはいえ被災地が投資の誘致による雇用の確保や、寄付金によるインフラ工事終了後の財政を税金で維持していくことにはまだまだ困難があり、各市町村や人々が自立するまでにはまだ時間がかかると思います。これはどの世界でも同じでしょう。

そして不良建築などが原因で被害に遭われた方々に対する補償などは我々の目に見えず、残念ながらまだ問題は残っているように思います。