カンボジアの首都プノンペン。朝から照りつける太陽のもと、
広々とした目抜き通りの真ん中で、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。お祝いの朝ごはんを食べよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
日本の半分足らずの国土におよそ1,340万人が住むカンボジア。この国にはお正月が3回やってきます。1月1日の「インターナショナルニューイヤー」、2月の「中国正月(旧正月)」、そして最も盛大なのが、今日からはじまる「クメール正月」です。普段朝早くから自動車やバイクでごった返している市街地は、すっかり年末年始モードで人影もまばら。日本と同じように、新年最初の3日間休みが基本ですが、官公庁や学校をはじめとして一週間程度のお休みという人が多いようです。ふるさとがある人は帰省して、年に一度家族と過ごします。祭壇を準備して、果物や飲み物などを先祖に供え、決められた時間になると、ロウソクと線香に火をつけて、しずかに新年を祝います。
ごちそうがたくさん出る、いわば「おせち料理」には、お米で作った麺のビーフンやチキンスープをはじめとして、食卓に豚肉や鶏肉などで作ったさまざまなごちそうが並びます。中でもチキンカレーは、代表的なお正月の定番料理。ココナッツベースでスパイスが調合されているので、マイルドで少し甘めの味つけなのが特徴的です。そしてデザートには豆と豚肉入りと、バナナ入りの2種類のチマキ。大勢の親族が集まって、飲んで食べて踊っての3が日だけにいつもは朝からお米のごはんをしっかり食べるカンボジアの人々も、お正月明けはスープと麺であっさりと一日をスタートさせるようです。飲み物はとろりと甘い、カンボジア風の“練乳入りアイスコーヒー”でいきましょうか。
カンボジアの公用語クメール語で「あけましておめでとう」は「スオスダイ・チュナムタマイ」なんだそうです。