日本ではこのシーズン、街はフレッシュなスーツ姿のビジネスパーソンで通勤の電車は混みあっていますね。
先輩と同伴してあいさつまわりなど、職場でそして社会人として、日本ならではの上下関係を身をもって体験するシーズンでもあります。
あの国ではどうでしょう?今日も2カ国をコネクト。
中国、成都。牧野雄次さん
「歴然としてあります」
上司は部下の前で常に堂々と振舞い、自分がボスなのだということを部下に対しても周囲に対しても威厳を見せます。
また部下は、上司に対しては忠実であることをPRし、周囲に対しても上司を立てまくります。
日本では、お客さんや他社の方の前では、上司と一緒にいても上司を誉めることはあまりせず、むしろ上司が部下をPRするために誉め、周囲の方に「ひとつ宜しく」とやる場合が多いと思います。中国は、部下が同席している上司を「こんなに凄いんです」と持ち上げ、これを上司は当然という風に受け止めています。
政府関係者や旧国営系大企業にこの傾向が特に強いと見受けられます。
ところがこんな中国でも、会社では、時間になれば、さっさと帰ります。
「上司が残っているから帰りにくい」という感覚は、あまりありません。
「何か残ってやることはありますか?」などとは聞かれません。
弊社でも、気がついたら、弊員ともう一人の駐在員だけが残っていて、皆、帰っていたということが頻繁にあります。ただそれは、今日の仕事に自分として目処をつけたから帰るのであって終わらない場合は、言われなくても残業をしています。
アメリカ、NY。ジェフ・マーレーさん
「あんまりないですね」
一般的に仕事の効率を重んじる社会なので、仕事が終わったらさっさと帰る。
上司が仕事をしているから残っているなんてことになったら、残業代がかかって会社としては損だし、上司は叱られるのでちっともありがたくない。
とはいえ、会社によって異なり、スタッフが5人から10人程度の会社ではそれが昇進につながることもあるようです。
僕のコマーシャル制作会社『Downtown Reel』の場合、社長の僕がいようが、いまいが、仕事があればスタッフはずっと仕事をしているし、僕は「仕事が終わったら帰って遊べ、映画でも観て、飲みに行け」と言っています。
とはいえ、NYの事務所には僕とほかのスタッフが2人いるだけ。
僕は夜9時か10時までたいてい仕事をしていると、スタッフは帰ってもいいけれど「何か手伝うことはないか」と聞いてくれます。