今年は世界中で国の今後を左右する選挙が行われる年です。今週も大きな動きがあちこちでありました。
今日もそんな中の2カ国をコネクト。
フランス、パリ。ドゥヴィアンヌ園子さん
「新たな時代の幕開けと言う声も聞こえる」
フランスはご存知のように、右左政党が五分五分でずっときていますから、もともと微妙な差で右左に振れるのです。今回はサルコジの個性の強い面と、内務省出身でもあり警察強化がフランス人には嫌われ、ウンザリ感が強く、経済、社会問題が山積みの今、冷静に考えて投票するではなく、サルコジ以外なら誰でも、まだましだろうという心境が大半を占めた結果のようです。
国民の大半は、EUや国際的な問題は日常問題に比べると遠い世界、判断基準にできないというのはどこの国もほぼ同じではないでしょうか?当選の祝賀まつりは、祭り好きなフランス人が騒いだだけ。熱はすぐさめて不満もすぐ出てくるだろうと皆が予想しています。この夏から所得税が大幅に上がるとも予想されているからです。
ギリシア、アテネ。アナグノストゥ直子さん
「起きています」
元々ギリシャ人は政治に関心が強いですが、選挙に関しては以前は投票の義務があったので現在でも投票率は高いです。
以前は投票を行わなかった人にはパスポートが発行されないというペナルティがありましたが、数年前からこれがなくなり、現在では行かなくても自由になっています。今回の選挙では投票率が約65%と今までで最低でした。私の周りでも今回は投票しないという声をちらほら聞いており、政権が変わってもどこも同じ。サポートできる政党が無いと言ってる人も多かったです。
経済危機の影響がはっきり目に見えている現在、社会的不満は高まっていてギリシャの運命が左右されるので選挙結果に注目が集まっていますが、多くの人は収入が減ったり職や財産を失ったりで無気力な状態に追い込まれながらも緊縮策を受け入れる他無いという意見です。
日曜の選挙の結果はトップが新民主主義党(ND)の18.85%、続いて急進左翼連合(SYRIZA)16.78%、全ギリシャ社会主義運動(PASOK)13.18%。
今までは新民主主義党と全ギリシャ社会主義運動がほぼ票を2分し交合に政権を握っていたのに対し、票がバラけた状態となっています。
国民は全ギリシャ社会運動の政権からの変化を求め新民主主義党に票が集まることは予想されていましたが、緊縮策に反対する急進左翼連合が2位に入ってき、連立与党が過半数割れしてしまいました。これによって再選挙の可能性も出てきています。