いよいよ電力消費のピークである夏場を間近にして、値上げ問題をはじめ日本の電気会社のあり方について、議論がヒートアップしています。
さて海外では、そもそも電気料金のシステムはどうなっているのでしょうか?
今日も2カ国をコネクト。
ドイツ、フライブルグ。村上敦さん
「自由に選べます」
ドイツだけでなく、EUの電力事業は、完全自由化されています。
家庭でも購入する電力事業者を、国内であれば、どこからでも自由に選ぶことができます。
携帯のキャリア―やインターネットプロバイダーを選ぶように、事業者ごとにサービス内容も異なり、自由に契約できます。
中国、成都。牧野雄次さん
「全く選べません」
中国では、元々電力事業は発電事業も送電事業も国家直営で、その下の各省や市が電力を供給していました。
15年くらい前から国家直営から国営企業による運営に変わっています。
日本と違うのは、発電事業と送電事業が分離されていること。
日本では、原発事故から送電の問題が注目されていますが、中国では、発電事業の殆どは5大発電会社が担当しており、送電事業は国家電網公司と南方電網公司の2社が担当しています。しかし、発電事業も国家の認可が必要な為、結局は国家が管理指導しているという状況は変わっていません。
電気料金も国家が決めており、これまでは比較的安く設定していたのですが、主要発電が火力である為、石炭の値上げにより、発電会社の経営が圧迫され始めており、発電所が閉鎖に追いこまれる例も発生しています。
なので、これから値上げされると思われます。
原子力は安全性の問題が解決されていないし、水力は限界があるし新エネルギーもまだまだですし、これから一体どうなるのか心配です。
私のいる成都では、国家電網公司傘下の、華中電網公司のそのまた下の、四川省電網電力公司の成都市電力供給公司より供給を受けています。
5大発電会社は中国各地に発電所を持っており、各地の送電会社は、その地の発電所から電気を購入している模様です。
当然ながら発電会社も送電会社も選ぶことはできず、電力が逼迫している中国の事情もあり、停電があっても文句は言えない状況です。
先日も、会社の入っているビルが火曜日に丸一日、停電したため、ビルのオーナーにクレームを出したところ、「電気会社からの通達だから仕方がない」との返答が返ってきました。「平日の停電は困る。何とかしてくれ。」と依頼したところ、「別の区から電気供給を受けれるよう回線を確保します。1年くらいかかりますが」と言われ、更に開いた口が塞がりませんでした。