岡山県の岡山市。岡山城がある高台から、旭川の対岸に見える後楽園の緑を望んで、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。今朝はいっぱい、ごはんを食べよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
JR岡山駅からゆっくり歩いて30分ほどの場所にある日本庭園の後楽園。
金沢の兼六園、水戸の偕楽園と並んで、日本三名園と呼ばれます。
今から300年あまり前の江戸時代。岡山藩の藩主池田綱政が自らのやすらぎのために作らせた庭園です。お城の中ではない、日常生活を過ごす場所の一つとして、さまざまな工夫と改良が加えられていきました。そして代々の藩主は、岡山に来たお客をもてなす場として使いましたが、一般の人々も入ることができました。地位や階級も関係なく、みんなが一緒に楽しむ場所として利用され続けて、今に至ります。
日本の朝ごはんの定番とも言える焼き魚とお米のごはん。岡山では、ニシンの一種で15センチぐらいの大きさの魚「ままかり」が名物で、よくそれを食します。
「あまりにおいしくて、ご飯がすすんで食べ尽くし、隣りの家からご飯を借りるから」というのがその名の由来だとか。
刺し身、塩焼き、唐揚げなどいろいろなレシピで調理されますがいずれもあったかいごはんとの相性は抜群です。中でも「ままかり」の酢漬けや、酢で締めた刺し身を使った「ままかり寿司」は岡山の郷土料理の代表的なもの。
しかし、小骨も皮も柔らかくて旬のこの時期には、脂の乗った新鮮な「ままかり」をシンプルに塩焼きでどうぞ。
岡山後楽園では今、ハスの花が見ごろで、2012年7月1日には「早朝4時に開園し、夜明けとともに開花する瞬間を楽しむ」という行事が行われます。