エーゲ海に面する古代から存在する都市、トルコのイズミル。
歴史を感じさせる町並みの中で、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。まずはパンにしよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
トルコ国土の西の端、エーゲ海に面する港湾都市イズミル。
今から5千年あまり前には都市の原形ができあがり、歴史の中でさまざまな国によって支配された場所です。海上交通の要所として、さまざまな文化がぶつかって、融合し、進化を遂げてきました。
街の博物館では考古学的な意味合いを持つ貴重なものが展示され、いたるところに、遺跡や、数百年もしくは数千年前の建物が再建されたり、修復されたりしています。
まさに世界史の教科書で最初に出てくる景色がここに残っています。
イズミルは地中海性気候の代表的な場所。温暖な気候から豊富な農産物が獲れ、乾燥に強いオリーブやブドウなどの果物、柑橘類などの栽培が今でも盛んで、オリーブオイルの製造も古くから行われていました。
トルコ料理では「エキメキ」と呼ばれるパンを食します。
外はパリッとしていますが、フランスのバゲットほどは硬すぎず、中はフワフワで、口の中に入れると香りが拡がります。
バターなどの材料が強く主張しておらず、味はあっさりめ。このためスパイスをたっぷり使った、濃い味のトルコ料理にはピッタリというワケです。
一般的に朝早くからやっているパン屋さん、もしくはトルコ語で「乾物屋」を意味する「バッカル」で1日分を購入。つまり、朝は焼き立てを頬張ります。
やはりここはシンプルに、「エキメキ」に地元のオリーブオイルと塩をつけていただきましょうか。
イズミルのもう一つの名産品は「イチヂク」なんです。
干したものを砂糖漬けにしたり、ペーストしたものに、砕いたクルミなどをまぜて固めてデザートとして食べます。