今週は、ロンドンオリンピックに臨む、サッカー23歳以下の日本代表ゴールキーパー 権田修一選手のHidden Story。
去年の6月。
権田修一選手は、ひとつの想いを胸にいよいよ始まるロンドンオリンピック予選に臨もうとしていました。
始まる時は、僕自身は、U20の予選で、この年代では負けてしまっているんで、そこから「絶対に世界の舞台で戦いたい」という気持ちで……そのときはキャプテンやらしてもらっていて、負けてしまったんで、すごい悔しかったですね。
今回のオリンピック世代。
実は、U20ワールドカップ、二十歳以下の国際大会への出場を逃しています。
雪辱を期してのスタートでした。
2次予選は、ホーム&アウェイの一発勝負。クウェート戦、2戦合計4対3。
ホーム&アウェイで、そこで負けてしまったら最終予選にすら出れないという、シビアな戦いだったんですけど、ギリギリでしたね。僕らは1次予選なかったんで、あそこが公式戦のスタート。
相当難しい試合でしたね。あと1点取られたら……やっぱアウェイで延長戦というのはすごくシビアになってしまうので、2試合目はスコア的には負けてしまったんで、悔しいところでもあるんですけど「ギリギリ突破できた」というイメージが強いですね。
アジア最終予選。2011年に開催された最初の3試合はすべて勝利。
しかし、年が変わって、今年2月。
ヨルダンで行われた シリア戦。終了間際、シリアのミドルシュートを権田選手が止めきれず、1対2。
中東の地で敗れました。
やっぱその試合に関しては、僕自身のプレーも安定しなくて、失点を2失点、自分の防げる範囲のボールを防げなくて2失点してしまったんで「申し訳ない」という想いがあるんですけど、でも終わって振り返ると、チームとして「やっぱ支配しきれなかったな」というのはあったんで、そこは反省材料というか、その時は、「次のマレーシア戦に向けては、自分たちを見つめ直さなきゃいけないな」と思った試合ではありましたね。
今だから言えることですけど、その試合で僕たちはもう一歩上のステージに行けたと思うし、もう一度、ひとつになって戦うことができるようになった「きっかけ」だとは思うんで。
敗戦は、糧にする。失敗は、団結するチャンスに変える。
日本は、続く、アウェイのマレーシア戦に4対0で快勝。
最終戦は、ホーム、国立霞ヶ丘競技場でのバーレーン戦でした。
本当にこの試合は、僕あんまり試合で緊張しないんですけど、この試合は緊張しましたね。
この試合は「今までの人生でいちばん大事な試合かもしれない」そういう気持ちで臨みましたね。
ディレクター:バーレーンに2対0で勝って、このときは喜びを分かち合いましたか?
こんときは嬉しかったですね。
ほんと、このときは疲れました、どっと。「俺、疲れてたんだな、気張ってたんだな」と思いました。
「プレシャーから解放されるっていうのは、このことを言うんだ」と初めて味わった瞬間かもしれないですね。
権田修一選手が試合前に必ず聴く1曲、教えていただきました!
試合前は聴く曲が決まってるんですよ。もう順番も決まってるんですよ。
スタジアムに入るときは、Superflyさんの『タマシイレボリューション』。
「あれを聴きながら入る」っていうのが、自分の中では絶対あるんすよ。
ディレクター:バスから降りて……
バスから降りてロッカーまで歩いていくじゃないですか、あれを聴きながらロッカーまで入るんですよ。
ワールドカップの時、あの音楽だったじゃないですか。あの雰囲気が好きだったんですよ。
だからそれ聴きながら入るというのは、ありますね。スタジアムに入ってってときは、たまにテレビとかで入場で抜かれますけど、音楽聴いてるんですけど、そのときはそれ絶対聴いてます。
いよいよ迫って来た、ロンドンオリンピック。
グループリーグの対戦相手は、スペイン、モロッコ、ホンジュラス。
「初戦スペインか」って思ったのが一番ですけど、「逆に、初戦で良かったかな」と思いますね。
スペインも若いチームですし、初戦で、僕たちが本当にしっかり準備すれば、絶対に可能性はあると思うんで、全力でぶつかりたいと思いますね。
僕たちを見せる恰好の場所が、初戦にあるというのは楽しみですし、「やってやるぞ」という気持ちは持ってますね。 聞く人が聞いたら「お前、何言ってんだ」と思われるかもしれないですけど、優勝を狙いたいと思ってますし、本気っすよ。こういうインタビューとかだとみんな言うじゃないですか、何ならその場の雰囲気で言ったりしますけど、僕、結構マジなんで。バカだと思われても、それを覆すくらいの気持ちでやりたいと思います。
「自分たちがしっかり準備すれば、絶対に可能性はある。」
権田選手は、力強くそう言い切りました。
目標は、金メダル! 若きサムライたちの戦いが始まります。