2012/8/17 パキスタン フンザ

パキスタンと中国ウイグル自治区との境に近い小さな村、フンザ。
間近に7,000m級の山々を望んで、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。しっかりと朝ごはんを食べよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。

今朝はパキスタンの秘境フンザです

インドの西北に位置し日本のおよそ2倍の面積のパキスタン。かつてはインダス文明が栄え、今も世界遺産が6つ。そして世界に14ある標高8,000m以上の山のうち、5つがパキスタンに存在し、それらの山岳地帯は国土の北側に集中しています。そこを通って中国に抜けるアジア横断ルートの途中にある、標高およそ2,500mの谷間の村がフンザです。首都イスラマバードからは、クルマで丸2日間はかかるという場所。絶景の中で暮らす人々の、静かでゆったりとした暮らしぶりは、まさに「桃源郷」にふさわしく、世界中から、登山客だけでなく噂を聞きつけたバックパッカーがやってきます。高い山々や氷河からの雪解け水が、地元のフンザ川にそそぎ、やがてはインダス川に合流。そしてインド洋に至ります。水脈も、文明も、原点のままで残っているそんな場所です。

パキスタンの朝はカレーではじまります

インドとパキスタンの料理は、カレーが中心となるので同じように思われがちですが、ヒンズー教の戒律で牛肉を食べないインドと比べて、豚肉を食べないイスラム教のパキスタンは隣の国同士とは思えないほど、メニューのレパートリーが違います。パキスタンで朝食として食される「ナハーリー」と呼ばれるカレーは、牛肉や水牛のすね肉をじっくりと煮込んだカレーで、スパイスが効いて、かなりピリッと辛めの味つけ。しかもかなり脂っこいので、日本人にはちょっと刺激的です。それでも一日のスタートに活力を必要とする人々には欠かせない食べ物といえるでしょう。丸い形のナンですくいながら、どうぞ。

夏は30度近く、冬は氷点下という厳しい気候のフンザ。
飲み物は身体を芯から温める「チャイ」が基本です。