高齢化社会を迎える日本。
「定年後もまだまだ元気な高齢者が社会で活躍する」そんなケースも多い日本ですが、あの国ではどうなのでしょうか?
今朝も2カ国をコネクト。
アメリカ、NY。中村英雄さん
「特に決まっておらず自分で退職します」
「定年退職後に余力があるからボランティア」という発想はあまりありません。
むしろ、あとは悠々自適。コツコツ貯めたお金で自分の好きなことをやって、仕事や世間のストレスから解放される。それがアメリカの「シルバーライフ」です。
日本に帰るたびに、公園や公共施設では彼らの献身的な働きぶりを目にしては感銘を受けます。特にNYの場合、高齢者がボランティアで働く姿はあまり見かけません。基本的に、米国のお年寄りは、体型的にも体力的にも若い世代とくらべ格段に衰退していますので、日本みたいに「まだまだ若いモンには負けないよ」みたいな元気に働く老人は少ないです。
もうさんざん働いたのだから、引退後はせいぜい社会の厄介になってやろうというのが、この国の気質です。
そういったところでは例外的に元気な高齢者が働いています。
たとえば、メジャーリーグの春キャンプ。オープン戦の球場の入場券モギリや会場案内は大抵高齢者ボランティアです。
彼らはほとんど無償ですが、おそらくシーズン中の招待券などを貰っているはずです。あとは、キリスト教会が組織的に行う奉仕活動にはシルバーの方々も多く参加しています。
フィンランド、エスポー。遠藤悦郎さん
「63〜68歳でもともと流動的です」
あくまで本人の自発性に基づく任意ではあるが、定年後の再就職や起業も一般化しつつあります。それによって本人の年金が増額されるというメリットがあります。
若い人とまったく同じ仕事をするのではなく、業務内容や勤務時間などに配慮しつつ、豊富な経験やスキルを生かして職場に貢献してもらうというスタンス。だから、55〜64歳の労働人口の就業率も欧州でもっとも高い国のひとつです。
ボランティアベースの活躍は多数あります。
そもそも時間があるので、保護士、介護人といった医療福祉関係のボランティアやミュージアムでの仕事など、各種のボランティア活動には参加しやすいようです。
シニアボランティアとして海外で活動する制度もあり、また建築家と連携して、自分たちにとって住みやすい高齢者施設を建てたシニアの地域団体などもあります。