アメリカの西海岸ワシントン州のシアトル。
レーニア山の白い部分を望んで、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。本格的なコーヒーを飲もう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
シアトルの南にある標高4392メートルのレーニア山。
アラスカとハワイ以外のアメリカ本土では最も高い山です。裾野が広く、その形が富士山にも少し似ていて、地元の人々には人気の高いランドマークとなっています。高いところには氷河があるため、山頂までの登山はベテランであっても天気を選び、簡単ではありません。周辺の森林地帯は国立公園に指定され、整備されたコースでのトレッキングやクロスカントリーなどをする人々で賑わいます。
アメリカ人がコーヒーを飲むようになったのは、イギリスの植民地政策に反発した独立前の1773年に起こった「ボストン茶会事件」がきっかけと言われています。イギリスから輸入した紅茶の代わりにコーヒーが広まりましたが、ずっと「アメリカン」な、薄い味のコーヒーが主流でした。しかし1960年代に、コーヒー豆の焙煎業者を中心に、厳選された豆を使って本格的なスタイルで淹れた「スペシャルティコーヒー」の店がシアトルで次々とオープン。それまでのアメリカのコーヒーの概念を変えました。そして今、更に本格的なコーヒーをめざして進化は続きます。シアトルの中でも、特に激戦区のキャピトルヒル周辺では、世界中の珍しいコーヒー豆を、直接産地で買い付けてきて他の豆とブレンドせずに、少しずつ丁寧にローストして、お客さんに出すような専門店が軒を連ねます。目覚ましにこだわりの一杯をどうぞ。