北海道の中心に位置する旭岳を中心に広がる大雪山国立公園。
日本で最も早い時期の紅葉を眺めて、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。旬のお魚にしよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
標高2,291mの旭岳を中心に、2,000m級の山々が連なるところが大雪山国立公園。ここを地元では大雪山系と呼んでいます。その広さは、神奈川県の面積に匹敵する22万ヘクタールあまり。
北にあって緯度が高いので、日本で最も夏が短い場所といえます。例年だと8月下旬には気温が急激に下がり、ナナカマドやダケカンバなど、木々の紅葉が始まります。しかし、今年9月の北日本の月平均気温は、統計を開始した1946年以降、最も高くなり記録的な暑さになりました。今年は紅葉のピークも初雪も10月にずれ込み、山頂に白い雪、中腹が紅葉、そしてふもとが緑、という珍しい光景を見る事ができそうです。ちなみに旭岳の初冠雪は、平年ですと9月下旬。今年は、「初雪」は降ったものの、「初冠雪」はまだ観測されていません(10月にズレこんだのは8年ぶりのことなのだそう)。
北海道の太平洋岸だけでとれるシシャモはカルシウムが豊富。地元ブランドとして、本シシャモを水揚げする「むかわ町」では例年より遅く、ようやく今週から漁が解禁されました。漢字では「柳葉魚」と書くシシャモ。メスの子持ちは、プチプチした独特の食感が人気。そしてオスは身にうま味があって、食通をうならせます。
居酒屋のメニューとしては定番ですが、東京に住む私たちが一般的に目にするものの多くは、カナダなど海外で獲れたカラフトシシャモというよく似た別の種類の魚です。
ウロコが大きくはっきりしていて、赤みがかった本シシャモを、すだれで干す風景が、来月まで北海道の太平洋岸で見られます。
やはり朝ご飯には、焼いたものを炊き立てのごはんでいただきましょう。
この時期に「むかわ町」のお寿司屋さんに行くと、ししゃもの刺し身やししゃも寿司をいただくことができるんです。
およそ1ヶ月あまりの旬の食材です。